モバイルルーター各社の比較

 モバイルルーターは固定回線のような開通工事が不要で、簡単に使い始めることができるのはもちろん、自宅でも外出先でも、パソコンもスマホも、インターネットが利用でき、料金も手頃なのが魅力です。そこで3月27日にスタートしたNTTドコモ「PREMIUM 4G」と、通信業者各社のモバイルルーターを比較してみました。

UQコミュニケーションズ

 UQコミュニケーションズが2月20日にサービスを開始したWiMAX 2+の「UQ Flat ツープラス ギガ放題」では、月額4,380円で月間データ通信量の制限がなく、しかも通信速度は下り最大220Mbpsを実現しています。他社では、これほどの高速通信が月間制限なしで利用できるプランは提供されていません。このため、このギガ放題プランはWiMAXの大きな魅力です。

 また、同社の料金プランは、この「ギガ放題」と7GBまで使える「UQ Flatツープラス」を1カ月単位で変更できる仕様です。利用者は、毎月使うデータ通信量を確認しつつ、自分に最適な料金プランへ切り替えることも可能です。

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「Speed Wi-Fi NEXT W01」(ファーウェイ製) 「Speed Wi-Fi NEXT WX01」(NEC製)


 下り最大220Mbpsに対応するモバイルルーターとして今春発売されたのが、WiMAX 2+/ au 4G LTE対応の「Speed Wi-Fi NEXT W01」(ファーウェイ製)、およびWiMAX 2+/ WiMAX対応の「Speed Wi-Fi NEXT WX01」(NECプラットフォームズ製)の2機種です。

NTTドコモ

 NTTドコモは、複数の周波数帯を束ねることで高速化する「キャリアアグリゲーション」技術を利用し、国内最速の受信時最大225Mbpsを実現した「PREMIUM 4G」を3月27日にスタートしました。しかし対応エリアは一部地域のみとなり、エリアが拡大されるまで、東名阪の一部エリアでは下り最大150Mbps、それ以外のエリアでは下り最大37.5~112.5Mbpsとなります。

モバイルルーターの新製品として、2015年2月に「Wi-Fi STATION HW-02G」(ファーウェイ製)と「Wi-Fi STATION L-01G」(LG製)を発売。「PREMIUM 4G」と

して提供する LTE-Advancedに対応した製品です。

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    「Wi-Fi STATION HW-02G」(ファーウェイ製)「Wi-Fi STATION L-01G」(LG製)


 契約に際しては、料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」を適用します。モバイルルーター単独で契約する場合、基本プランの「データプラン」(1,200円/月)、インターネット接続サービスの「moperaUシンプル」(200円/月)に各パケットパックの料金が加算される仕様で、例えば、月間5GBのプランなら合計6,400円、月間8GBなら8,100円となります。いずれのプランでも、設定されたデータ通信量を超過すると速度制限が行われるため、通信速度が128kbpsまで落ちます。制限を解除するには1GB毎に1,000円の追加料金が必要になります。

ソフトバンク

 ソフトバンクモバイルは、下り最大165MbpsのAXGP方式による「SoftBank 4G」と、下り最大112.5Mbpsの「SoftBank 4G LTE」を組み合わせた高速通信サービス「Hybrid 4G LTE」を提供中で、対応するモバイルルーターとして「Pocket WiFi 303ZT」(ZTE製)を販売しています。

 利用料は、2年契約の「4G/LTEデータし放題フラット」の場合、特別キャンペーンを適用すれば月額3,696円となります。同プランでは月間データ通信量が7GBを超えた場合、通信速度が制限され、制限を解除するには1GB毎に1,000円の追加料金が必要になります。

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「Pocket WiFi 303ZT」及び「Pocket WiFi 305ZT」(ZTE製)


ワイモバイル

 ワイモバイルでも「Y!mobile」ブランドでサービスを提供しています。対応ルーターにはソフトバンクの303ZTの姉妹機となる「Pocket WiFi 305ZT」(ZTE製)を用意し、2年契約の「Pocket WiFiプラン+」なら、「おトク割」の適用でソフトバンクと同様の月額3,696円で利用できます。また、キャンペーン適用により、7GB超過後の速度制限を解除する料金(500MB毎に500円)が2年間無料になるため、月間データ通信量は実質的に制限なしとなります。ただし、超過後、500MB毎に速度制限を解除する手続きが都度必要である点は面倒であり、"使い放題"とはややイメージが異なります。

  ソフトバンクの「303ZT」もワイモバイルの「305ZT」も下り最大165Mbpsに対応していますが、提供エリアは一部の地域に限られます。

各社の主要サービス内容 

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 各社の主要サービス内容を表にまとめると、WiMAX 2+は「速さ」と「月間データ通信量に制限がない」のが特長です。データ通信容量の制限がない、というメリットは非常に大きく、自宅でも外出先でも安心して存分に使え、固定回線の代わりにもなるモバイルルーターは、賢い選択肢と言えるかもしれません。

 ちなみにWiMAX 2+の利用エリアに関しては、2015年春に全国のWiMAXエリアとほぼ同等程度まで拡大する予定で、au 4G LTEは2014年3月の時点で、すでに人口カバー率99%に到達しています。(Wi-Fi STATION HW-02Gに対応)住まいの地域に関係なく、日本全国で快適な通信が利用できそうです。

 WiMAXの「UQ Flat ツープラス ギガ放題」と比較すると、ドコモ、ソフトバンクのプランはおとなしい印象です。もっとも、「利用したいキャリアサービスがある」「他の端末で使用しているパケットをシェアしたい」などの理由で選ぶケースはあるかもしれません。現行のモバイルルーター比較では、安心して存分に使えるWiMAXの「UQ Flat ツープラス ギガ放題」がイチオシということになりそうです。

 なお、マンション等コンクリート住宅の場合は、通信速度が遅くなることがあります。UQコミュニケーションズでは15日間の無料貸出しをしていますので、契約する前に通信速度を確認しておいたほうが良いかもしれません。


「キャリアアグリゲーション」について  続きを読むに記載してあります。

次世代ネットワーク「キャリアアグリゲーション」について

 NTTドコモの次世代ネットワーク「PREMIUM 4G」が3月27日にスタートしました。複数の周波数帯を束ねることで高速化する「キャリアアグリゲーション」技術を利用し、国内最速の受信時最大225Mbpsを実現しました。2015年度中には最大300Mbpsを達成する予定で、全国22都道府県の都市部からサービス提供を開始し、全国の主要都市に広げていく予定です。スタート時点で利用できる端末はモバイルWi-Fiルーターのみですが、年度内早期に対応スマートフォンを発売する予定だといいます。

東京・山手線のPREMIUM4G展開予定図。すでに全駅で150Mbpsを実現しており、トラフィックの集中する主要駅を中心に225Mbpsエリアを拡大していく


 従来から提供しているドコモのLTEサービス「Xi(クロッシィ)」と料金体系は同じで、対応端末さえ用意すれば、高速通信を追加料金なしで利用できます。

 そのメリットの一つは「最高速度の向上」が挙げられます。従来の「フルLTE」は受信時最大150Mbpsですが、PREMIUM 4Gは2つの本格的なキャリアアグリケーションで受信時最大225Mbpsを実現しています。これによってデータのダウンロードにかかる時間が大幅に短縮できます。

 もう一つが「快適性の向上」です。例えば主要ターミナル駅前、大型展示場など、多くの人が集まる場所には過大なトラフィックが発生しています。トラフィックに応じて基地局の無線容量を臨機応変に増減できる「高度化C-RAN」技術によって、トラフィック集中時の実効速度低下を抑えることができ、快適で安定した通信が可能になりました。

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「速さ」と「快適さ」を両立、従来のLTEユーザーにもメリット

 PREMIUM 4Gの根幹となっているのが「高度化C-RAN」です。これはPREMIUM 4Gの主要技術である「キャリアアグリゲーション」技術を活用し、広域エリアをカバーする「マクロセル」と局所的なエリアをカバーする「スモールセル」を高度に連携させるというものです。

 ユーザーメリットの一つとして挙げられるのが「最高速度の向上」です。マクロセルにスモールセルを追加(アドオン)して「アドオンセル」を構成し、2つの周波数帯を束ねるキャリアアグリゲーション技術によって通信速度の向上を実現できます。従来の「フルLTE」では受信時最大150Mbpsでしたが、2つの周波数帯を組み合わせることで受信時最大225Mbpsを実現しました。データのダウンロードにかかる時間を大幅に短縮できます。

 もう一つのメリットが「快適性の向上」です。エリアの広いマクロセルは、移動中の接続性を維持できます。一方スモールセルは、単位面積あたりの無線容量を容易に拡大できます。これらをキャリアアグリゲーションによって組み合わせることで、移動中の快適性(実効速度低下の抑制)を実現できます。

 こうしたメリットは、LTEユーザーも受けられます。キャリアアグリゲーションによる高速化はPREMIUM 4G対応端末のみですが、混雑エリアでも1人あたりの通信速度を確保でき、LTEユーザーの快適性もアップします。

PREMIUM 4G対応端末が安定した通信を維持できる理由

 移動中に基地局同士の境目に達すると、ハンドオーバー(基地局の切り替え)が行われ、1つの周波数帯しかつかめない通常のLTE対応端末の場合は、ここで実効速度が著しく低下してしまいます。

 一方、2つの周波数帯を利用して高速化を実現するPREMIUM 4G対応端末の場合、下図のように広いエリアをカバーする「マクロセル基地局」と局所エリアをカバーする「スモールセル基地局」の2つを利用できます。スモールセル基地局でハンドオーバーが発生した場合でも、マクロセル基地局の電波をしっかりとつかめるというのが重要です。ハンドオーバー時は実効速度が低下してしまうものの、マクロセル基地局の分の実効速度を確保できるため、よりストレスなく利用できるようになります。


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2つのキャリアアグリゲーションとアドオンセルによる高度化C-RANがPREMIUM 4Gの速度・快適性のカギ

 複数の周波数帯を束ねて帯域幅を拡大することで、高速通信を可能にするのがキャリアアグリゲーションです。これには、周波数の組み合わせが2つ存在しますが、受信最大速度は同じ225Mbpsです。また、高速化だけでなく複数の周波数帯の利用によって、ある周波数帯の電波状況が悪化しても、別の電波状況がよい周波数帯で通信することによって、安定した通信も可能になります。

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 通信の快適性の確保という点で重要なのが、広域エリアをカバーするマクロセル同士のキャリアアグリゲーションに加えマクロセルと局所的なエリアをカバーするスモールセルを、必要に応じて組み合わせる「高度化C-RANアーキテクチャ」です。これがPREMIUM 4Gのポイントです。マクロセルにスモールセルを加えて「アドオンセル」を構成することで、マクロセルの「移動中の接続性の高さ」とスモールセルの「無線容量の拡大しやすさ」を両立できます。


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「IoT時代」を支える次世代5Gネットワーク

 テレビやパソコン、スマートフォンといったデジタル機器だけでなく、生活家電なども含めてさまざまな機器がネットワーク経由でつながる「IoT(モノのインターネット)」時代が幕を開けようとしています。すべての機器がネットワークにつながり、自動的かつ知的に情報収集や管理・制御が行われ、さらに、4K動画や8K(スーパーハイビジョン)動画、AR(拡張現実)など、コンテンツもリッチ化が進んでいきます。

 そうなると、深刻になるのがトラフィック増です。ドコモは2020年代に、2010年比で1000倍ものトラフィックが発生すると試算しています。その膨大なトラフィックをスムーズに処理するためには、次世代通信規格の「5G」が重要なカギとなります。

 現在の4G(LTE)から大幅な進化を遂げる5Gのベースとなっているのが、LTE-Advanced技術をベースにしたPREMIUM 4Gです。キャリアアグリゲーションやアドオンセル技術を高度化するほか、制御信号とデータ信号を分離して通信する「ファントムセル」、高周波数帯を有効利用する「MIMO」の高度化などさまざまな技術を確立する必要があります。そのためドコモは世界の主要ベンダーと協力体制を取りながら、5Gの実用化に向けて実証実験を進めていく予定となっています。

(日経YRENDY、NTTドコモHPより)
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