待ち望んだ喜びの光よ(BWV184)

 聖霊降臨祭第3日目の1724.5.30、ライプツィヒで初演されたこの曲は、ケーテン時代の新年を祝う世俗カンタータBWV184aのパロディです。ライプツィヒでは降誕祭・復活祭・聖霊降臨祭は3日連続で礼拝が行われるので、1724年の該当日の作品制作を省力化するため、BACHはパロディで乗り切ったわけです。


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 聖霊降臨祭最終日の礼拝では、ヨハネ福音書の「わたしは羊の門である」を骨子とする説教が展開されます。救いを求める人々を羊に喩え、イエスを羊を導く門や羊飼に投影した福音を下敷きとします。それを受けて、BACHが残した2曲の当日用カンタータ(BWV184とBWV175)は、いずれも羊の群れと羊飼いを暗示する牧歌的な曲調に満ちています。テキストにはイエスを慕う羊達の幸いと安寧をこめてありますが、テキストの作者は不明です。


 トン・コープマン指揮、アムステルダム・バロック・オーケストラ&合唱団、リサ・ラーソン(S)、エリザベス・フォン・マグナス(A)、 ゲルト・テュルク(T)の演奏でお聴きください。





1.レチタティーヴォ(T)

待ち望んだ喜びの光よ、

新しい契約とともに闇を破り

イエス、私たちの牧者を通して現れた光よ。

かつては死の谷をさまよっていた私たちは、

今や十分に味わっています、

いかに神が私たちに、かくも長く待ち望んでいた牧者を送られたかを、

私たちの魂を養い

そしてみ言葉と霊によって私たちの歩みを

正しい道に向けてくださる牧者を。

私たち、彼に選ばれた民は、彼の力をこの身に感じています、

ただ彼の手の中にのみ、私たちを元気づけ、

私たちの心を強くする力があることを。

彼は私たちを愛してくださる、

彼を頼みとし彼の助けをもとめる羊の群れを。

彼はその群れを空しいこの世から引き離し、

彼を仰ぎ見

そしていつの時もその恩寵に依り頼むようにしてくださる。

おお牧者よ、その群れのために自らを与え、

墓に至り、死に至るまでその群れを愛してくださる方よ!

彼の腕は彼らを敵から守り、

彼の配慮は私たち羊の群れの霊を養い、

そう、たとえ暗い谷を歩む時が来ても、

彼の優しい杖は私たちを助け慰めてくださる。*

それゆえ私たちは喜びをもって墓に至るまで従います。

さあ!彼のもとに急ぎ行こう、新しく変えられた姿で彼の前に立つために。

2. アリア 二重唱(S&A)

祝福されたキリスト者たちよ、この上なく幸いな人々よ、

来たれ、感謝の念を持ってイエスのもとに立ち現れよ!

耳にへつらうこの世がしかける罠を蔑むが良い、

それはあなたがたの喜びが完全なものとなるためである!

3.レチタティーヴォ(T)

それゆえ喜びなさい、あなた方選ばれた魂よ!

その喜びはイエスの心に基づいているのです。

この慰めは誰にも語りつくせないものです。

その喜びはまた下っては

罪の桎梏にある者たちにも届きます。

その縛めはユダ族の勇士*がすでに打ち砕いたものです。

ダビデのような方が私たちの助けです。

勇士の腕が私たちを敵から解き放ちます。

神が力強くその群れを守られ、

彼が怒りのうちにその群れの敵を呪われ、

彼がその群れのために

苦き十字架の死をも厭われないとき、

彼らはもはやいかなる苦難に会うこともなく、

神にあって喜びのうちに生きるでしょう。

ここにおいて彼らは高貴な牧草を味わい

そしてかなたにおいて全き天の喜びを望むのです。

4.アリア(T)

幸福と祝福はすでに整えられている、

聖別された群れに冠として授けるために。

イエスは黄金の時をもたらされる、

私たちが彼に親しむ者となるならば。

5.コラール

主よ、私はいつの時も願います、あなたがその者たちを

苦難の中に見捨て給うことがないように、

あなたの言葉を誠実なしもべのように

正しく心と信仰の中に堅く抱く者たちを。

あなたがその者たちに進んで救済を与え

そして滅びるにまかされることがないように。

おお主よ、あなたを通して私は乞い願います、私を

喜ばしく進んで死に向かわせてください。

6.合唱

良い羊飼いよ、あなたを慕う者たちの慰めよ、

あなたの聖なる言葉を私たちに与えてください!

あなたの慈悲深い御顔を輝かせてください、

常にいつまでも私たちの神であり避け所であってください、

全能の力に満ちた御手を通して

私たちの歩みを命に向けてくださる神であってください!

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