デジタル機器での目の疲れ 原因は自律神経の混乱

 携帯をスマホに変えたら、目が疲がれるようになったとか、パソコンを前にするとどっと疲れが出るといった話をよく聞きます。パソコンやスマホからくる目の疲れは、自律神経にも悪影響を及ぼしています。

 パソコン、スマホ、タブレット…。私たちの身の回りは、目に負担をかける情報通信)器であふれています。目が疲れるのは仕方がないと思っていますが、パソコン画面を見ていて「疲れた」と感じるのは、目だけの問題ではないかもしれません。自律神経のバランスが乱れている可能性があるといいます。

 デジタル環境の中で、私たちの目は、本来のあり方と違う働きを強いられています。それが自律神経まで狂わせます。

デスクワーク時の目は矛盾に悩んでいる

 私たちが何かを見るとき、眼球の中では、距離に合わせてピントを調節するしくみが働いています。この調節を行うのが水晶体(レンズ)です。遠くを見るときは水晶体が薄く、近くのときは厚くなります。ガラスのレンズと違って水晶体は柔らかいので、柔軟に厚さを変えられるのです。

 厚みを変化させるのは、毛様体筋という小さな筋肉です。このリング状の筋肉は、

レンズの周りをぐるりと取り囲んでいます。

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 遠くを見るときは、毛様体筋が弛緩して広がると、中央のレンズ(水晶体)は、放射状の繊維(毛様体小小帯)に引っ張られて外へ伸び、レンズが薄くなります。すると焦点距離が長くなって、遠くにピントが合います。

 近くを見るときは毛様体筋が縮むと、レンズが外側へ引っ張られなくなり、すると、レンズ自体の弾力によって中央の厚みが増し、これで焦点距離が短くなり、ピントが手前に合う状態になります。

 問題は自律神経で、実は毛様体筋は、副交感神経の命令によって収縮します。自律神経には交感神経と副交感神経があり、興奮するときに働くのが交感神経、リラックスするときに働くのが副交感神経です。つまり、近くを見る(毛様体筋が収縮)ときは、体をリラックスさせる神経が必ず働くのです。

 その昔、人間が狩猟生活をしていたころは、日中は緊張しながら遠くを見て獲物を探し、夜の団らんではお互いの顔を見てくつろぎました。目の使い方と自律神経の働きが、うまくマッチしていたのでしょう。

 人間のカラダのしくみはもともと、野生環境での生活に適応するよう進化しました。そんな中で、遠くを見るときは「興奮モード」の交感神経が、近くを見るときは「リラックスモード」の副交感神経が優位になるメカニズムを身につけたと考えられます。

 しかし現代では多くの人が狩猟ではなく、デスクワークでパソコン画面を見ながら緊張しています。仕事中の体は交感神経モードです。でもパソコン画面は近くにあるので、これを見るには副交感神経が働かなくてはなりません。この矛盾した状態が常時続くと、自律神経のバランスが狂ってしまいます。

 こうなると、仕事をがんばろうと思っているのに、画面を見ると眠気やだるさが湧いてきて、やる気が出ないといった状況に陥ります。頭痛や肩凝り、吐き気などが出ることもあるといいます。

 こういう状態になりやすいのは、もともと視力が良かった人で、遠くを見るのは得意ですが、近くを見るときには毛様体筋が人一倍力んでいます。また近視の人でも、矯正視力を高めすぎると同様のことが起きます。

 さらに、だれでも30代ぐらいになると目の老化が徐々に進んで水晶体の柔軟性が下がり、毛様体筋が力みやすくなるそうです。

パソコンが楽に見える眼鏡を使ってみよう

 今の世の中では、遠くがよく見えることよりも、パソコンぐらいの距離を快適に見続けられることの方が大切です。視力より快適さ。パソコン使用時は、近くが楽に見える眼鏡を使うのがお薦めだといいます。

 近くが楽に見える眼鏡とは、わかりやすくいえば老眼鏡です。度がごく弱いものを使うと、パソコンやスマホが驚くほど楽になります。老眼鏡かと過敏に反応する人もいますが、30代半ばからそういう眼鏡を使うと、肩凝りがすっかり楽になるといいます。症状に思い当たる人は快適さ優先で、眼科か眼鏡屋さんに相談してみましょう。ブルーライト対策のPC用レンズを使えば、更に効果的です。

(日経ヘルス&メディカルより編集加筆)

※ なお画像は「視力回復の研究ノート」のHPより引用させていただきました。


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