MERS流行の裏にあるスーパースプレッダーの存在

スーパースプレッダーとは

 2003年にSARSが感染拡大した際に、その経路調査をしていく中で、ある特定の患者が注目されました。多くの人への感染拡大の感染源となった患者の存在で、「スーパースプレッダー(Super Spreader)」と呼ばれ、10人以上への感染拡大の感染源となった患者を意味します。

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 2003年2月25日~4月30日までのシンガポールでのSARS症例201例の患者のうち、172例(約86%)が患者1人から拡大したことが報告されています。特に、最初の患者が多くの感染拡大の感染源になっていたことと、そこから3人のスーパースプレッダーに感染したことで、さらに拡大したことが原因として判明しました。

 しかし、スーパースプレッダーになりやすい特徴については不明です。早期に隔離することができれば、それだけ感染者を減らすことができます。現時点では、誰がスーパースプレッダーなのか不明なために、感染の可能性のある人を早期に隔離することが最善策となっています。

 MERSにおいても、SARSと原因が同じ種類のコロナウイルスの新型ですから、同じように、スーパースプレッダーの可能性が示唆されています。

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 とはいえ、そのような患者に当てはまらないとしても、自分の感染を防ぐことが他人への感染を防ぐことになります。

 コロナウイルスの感染経路は、痰や唾などの飛沫感染、汚染されたものを手で触って口や鼻を触ることで感染する接触感染と言われています。SARSもMERSもこの感染経路と考えられています。

 どちらも有効な治療薬はありませんので、いかに感染しないようにするかが大切になります。また、感染予防をしっかりとすることで、2003年のシンガポールでのSARSの流行は鎮静化できました。

標準予防策感染予防の考え方

 医療の現場では、「標準予防策」という感染予防の考え方があります。すべての人は感染する病原体を持っていると考え、人や周囲の環境に接触する前後には手洗いや消毒などの手指衛生を徹底的に行い、血液・体液・粘膜などに感染する可能性のあるものにさらされるときには、マスクや眼鏡、ガウンなどの個人防護具を用いるというものです。この予防策は、SARSやMERSだけでなく、インフルエンザウイルス、エボラウイルスなどに対する対策でもあります。

 血液・体液(唾液・鼻汁・尿・便・涙・母乳など)・傷のある皮膚・粘膜など、これらのものに触る可能性のあるときには、その処置に応じて手袋やマスク、ガウン、アイシールド・ゴーグル・眼鏡、顔を覆うフェイスシールドを装着して、人や環境に接触する前後に、手洗いと手指消毒を行います。

感染予防の基本は手洗い

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 このすべてを同じように一般家庭で行うのは難しいので、まずは食事前や帰宅時に必ず石鹸で手を洗とうようにし、手荒れをしない程度にアルコール消毒をします。また、人混みの中を外出するときには使い捨てマスクをして、帰宅時に外側を折り曲げて袋に入れて捨てるようにします。衣服についても、外着と部屋着に分けて生活した方がいいかもしれません。

 SARSやMERSのような場合は、スーパースプレッダーを判断する方法が無い以上、すべての人が脅威になりうると考え、感染予防を徹底すべきでしょう。したがって、自分を治す意味でも、感染拡大をさせないためにも、日本で発生していない現状では検疫で正直に申告し、さらに不要な中近東、韓国への入国を控えた方が望ましい状況になっています。

(All Aboutより)

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