ミネラルウォーターと水道水の大論争

 本当にミネラルウォーターは、すべてにおいて水道水より優れていると言えるのでしょうか? そんな疑問に答える動画があります。あくまでアメリカをベースにした作品なので、日本の現状とは当てはまらない部分もありますが、そこには私たちが口にする水に対する、深い考察があります。

01.

ミネラルウォーターの値段は水道水のおよそ2千倍

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 米経済誌「Buisness Insider」によれば、米国で販売されているミネラルウォーターのおよそ3分の2は、1ガロン(4リットル弱)で約$7.5ドル(約900円)ほど。これは同じ量の水道水と比べて2,000倍の値段になる。$2ドルあれば、およそ33ガロン(135リットル)の水道水が買える計算です。

02.

水道水のほうが品質が高いケースも…

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 オハイオ州クリーブランド市が、あるミネラルウォーターと市の水道水を比較調査した結果、市の水道水の方がヒ素の含まれるレベルが低かったことが判明しました。

では、どうしてこのような結果になったのか?エネルギー施策と環境問題の専門家、Sara Goodman氏が「The New York Times」への寄稿文でこう記しています。

「ミネラルウォーター会社は、環境保護庁が定めるところの、水道水と同様の情報開示を求められていません。そのため、米国食品医薬局がミネラルウォーターを監視しています。この両者がそれぞれを監視しているので、制度の隙間ができてしまい、ブラックボックスが生まれる現状です」

03.

毎週約5,000万本を消費地球約5周分のペットボトル

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 米国だけでも、年間約34億リットルのミネラルウォーターが生産されています。そのうちのほどんどは500ml容器で販売されるそう。つまり、おおよそ68億本ペットボトルが生産されている計算に。

 1年間52週で割ってみれば、じつに1週間に1億本以上が販売されていることにいることになります。もちろん1リットルを越えるサイズのペットボトルも販売されているため、それを考慮したとしても、少なくとも約5,000万本のペットボトルが販売されているということです。

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 地球一周はおよそ4万キロと言われています。約500万本のペットボトルを繋いだとすれば、その全長は地球5周分に相当。こう考えると、数字の大きさに驚かされます。

04.

アメリカではネガティブキャンペーンでイメージが作られている

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 ミネラルウォーター市場拡大のための戦略はじつに様々。さすがは表現が自由なアメリカの戦略だけあって、消費者心理を巧みに誘導する広告戦略も日常的に見られるようです。この動画の中でも「悪いのは水道水だ」とする企業側の揺動広告に対して、「水道水を濾過しただけの水を販売している」といったカウンターパンチも日常的に行われている模様です。

05.

ペットボトルのリサイクルにはいろいろと問題もある

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 ペットボトルが生産されるには大量の原油が必要となります。動画の内容によると、約100万台の自動車製造と同じだけのエネルギーコストがペットボトルの生産に使用されていそうです。ここに、世界各国への輸送出荷費などを加えると、ミネラルウォーターを生産するのにかかるコストは相当なものです。

 販売されたもののうち、およそ80%の空のペットボトルが埋立地に行くか、焼却炉で燃やされています。残りはリサイクルされるかインドをはじめ一部の途上国に渡り、不衛生で過酷な労働環境にいる人々によって処理されると、動画は伝えています。

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 こうしたミネラルウォーター生産から、最終処理までの一連のコストを算出すると、いまだ水道水を安心して口にできない各地に新たなパイプラインを敷く方がコスト面でも、エコの観点からも良いとする見方もあるようです。

06.

「妊娠中のタバコ」と同じ?その真意とは…

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 さすがにそこまでは…、極端すぎる表現に思えますが、動画の後半ではミネラルウォーターを飲むことと、妊娠中の女性がタバコを吸う行為は同じだけ危険だとする表現も。

 この真意は、毎年約50万人の子どもたちが、汚水を口にすることによる疾患で、命を落としている事実を伝えようとしています。現在でも世界の約7億5,000万人以上が、安心して飲める水が行き届いていない現状を、皮肉を交えて私たちに伝えようとしているのかもしれません。



(TABILABO、story of stuff projectより)
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