ソナタ イ短調(BWV965)ラインケン「音楽の園」の編曲

 先週は重厚なオルガン曲を聴きましたが、今日はBACHの音楽とは思えない可愛らしいチェンバロ作品を聞きたいと思います。可愛らしいという理由は、原曲がオランダ出身の作曲家ヤン・アダムス・ラインケン(1643~ 1722)の2つのヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のためのトリオソナタ第1番イ短調「音楽の園」だからです。BACHは若い時ハンブルク聖カタリーナ教会のオルガニストであったラインケンの作曲技法を習得するために編曲したと言われます。


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ヤン・アダムス・ラインケン


 まず原曲のトリオソナタ第1番イ短調をお聴きください。アルマンド、クラント、サラバンド、ジグの4曲でできていますが、かなり古風な作品です。演奏はアルゼンチン出身のバロック・ヴァイオリニスト、マンフレード・クレーメルとレ・サイクロプスです。



 次にBACHの作品ですが、原曲を単にチェンバロ用に編曲したのではなく、7曲の組曲形式(アダージョ、フーガ、アダージョ─プレスト、アルマンド、クラント、サラバンド、ジーグ)で構成しています。2曲目フーガば、主題にラインケンのクラントを使ったBACHの新作で、最も聴きごたえのある部分です。

 オランダのチェンバロ奏者、ヘンドリック・ボウマンの演奏でお聴きください。 ボウマンはグスタフ・レオンハルトや トン、コープマンに師事し、ムジカ・アンティカ・ケルンのチェンバロ奏者も歴任しています。



 冒頭の部分を楽譜を見ながら、もう一度聴き比べてみてください。これはただの編曲とは思えません。BACHが作り変えると見事な作品に変貌します。

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 可憐な曲想がそのまま引き継がれた愛らしく美しい作品です。この形式が後にフランス組曲、イギリス組曲、6つのパルティータや種々の器楽用の組曲に発展したのでしょう。

 最後にロシアのピアニスト、グリゴリー・ソコロフの素晴らしい演奏でお聴きください。いつもはBACHをピアノで聴くことはないのですが、この曲に関してはピアノがとても美しく感じられます。曲想がピアノに合っているのかもしれません。


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