梅雨明け直後の猛暑が危険!

猛暑の数時間後に熱中症になることも

 熱中症とは、高温の環境下で、体の電解質バランスや調整機能が崩れて起こる障害の総称です。猛暑に見舞われた2013年の夏は全国で40万人、例年通りだった2014年でさえ28万人が熱中症で医療機関を受診しており、身近な病気です。

 熱中症の症状の多くは、頭痛や嘔吐などで、これらは他の病気でも起こりうるため、熱中症かどうかを素人が見極めるのは難しく、その判断基準は、「暑い場所にいたかどうか」だといいます。風邪でも食中毒でも、熱中症と同じような症状が出るのでそれだけでは区別がつきません。暑い環境に"いる時"、あるいは"いた後"の体調不良であることが熱中症の前提条件です。秋・春・冬に同じ症状が出ても、熱中症を疑うことはありません。暑い夏だからこそ熱中症が疑われます。

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 熱中症でよくあるのは、炎天下にいる人が急に倒れるパターンですが、中には、夜になって不調を訴えることもあります。こうした例は女性に多く、暑い環境にいる間に限らず、夕方以降に頭痛や吐き気など熱中症の症状を訴える人がいます。まさか数時間も経ってから熱中症になるとは思わないため、盲点になりやすいパターンです。

体力が落ちている高齢者は、じわじわと重症になりやすい

 若い人の熱中症は、炎天下のスポーツ・労働を原因とするものが大半ですが、高齢者は日常生活を送りながら、屋内で倒れることが多く、しかも若い人に比べて重症になる人が圧倒的に多い点も特徴です。高齢者の場合、急に暑くなってからしばらくは変わりがないと思っていたのに、4日目あたりから急に熱中症を発症する人が増えます。累積効果で少しずつ体力が落ちているのですが、本人も周りも気づかず発見が遅れてしまうといいます。

梅雨明け直後、いきなりくる夏日に注意

 梅雨が明けて一気に気温が上がり、最初の熱中症のピークがくるのが7月下旬。続いて、8月中旬頃までに2回目、3回目の波がやってきます。しかし、夏本番の8月の方が、7月よりも猛暑日・熱帯夜が続くのに、病院に運ばれる人は最初のピークよりも少ないそうです。

 2回目、3回目のピークで搬送者が減る理由の1つは、高温が続き、徐々に体が暑さに強くなる『暑さ慣れ』の影響です。2つ目の理由として、夏の初めにマスコミが熱中症の増加を大々的に報道したことで、誰もが注意するようになったことが効いていると思われます。また、体力のない人は、暑さに慣れていない最初の段階で入院か、あるいは亡くなる人も多いため、その後のインパクトが減るのかもしれません。

炎天下の水分補給は、ぬるいペットボトルより冷たい水筒

 暑い日は、市販の経口補水液やスポーツドリンクで水分補給します。炎天下に外出する時は、すぐにぬるくなってしまうペットボトルより、保冷効果のある水筒で常に冷えたものを持ち歩きます。冷たい飲み物を持ち歩くことのメリットは、体の中から直接、そして継続的に体を冷やすことにあります。飲んだものは約30分かけて体に吸収されるため、十分に水分補給をしてから外出し、水分が不足してくる30分後くらいからこまめに飲むようにします。

 水分とあわせて摂取すべきは塩分です。通常は3食きちんと食べていればおおむね問題ありません。しかし水だけを多量に飲んでいると、体内の塩分濃度が下がり、だるい・吐き気がするなどの症状が出る"低ナトリウム血症"に陥る可能性があります。水と一緒に塩飴なども携帯するようにします。

 ただし、持病がある人は塩分・水分の摂り方に注意が必要です。経口補水液もスポーツドリンクもブドウ糖を含むため、糖尿病の人が飲み過ぎると高血糖になり、浸透圧利尿を起こしてしまいます。購入時はカロリーゼロのタイプを選びます。

「エアコンは体に悪い」と思わず、快眠を手に入れよう

 疲れをため込まないためには「夜をどううまく過ごすか」も大切です。就寝時、気温が高い時はエアコンの力を借り、就寝中の熱中症を防ぐためにも、日中の暑さで奪われた体力を回復させるためにも、涼しい環境でぐっすり眠ることが大切です。その際は、体感温度で何となく判断するのではなく、目につく場所に温度計を置いて、28℃を越えたらスイッチを入れるなど、ルール化するといいでしょう。

意識の有無と自力で水を飲めるかどうかで受診を判断

 もし身近な人が熱中症になったら、どうすればいいのでしょうか。まずは声をかけて、意識があるかどうかを見極めるのが第一です。意識がなければ重症の可能性が高く、脳卒中など他の病気も考えられるため、すぐに救急車を呼びます。

 応急処置にあたっては、涼しい場所に移して服をゆるめ、冷たいペットボトルを体に当てるなどして、体を冷やし、水分を補給させます。もし、自力で水分をとれるようであれば、引き続き応急処置を続けながら様子を見ます。そのまま回復すれば、受診の必要のない軽度(Ⅰ度)の熱中症です。もし回復しなければ、医療機関を受診します。

(日経Goodayより要約)
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