主なる神、われらがもとにあらずば(BWV178)

 今日聴く日曜カンタータは、三位一体主日後第8主日、1724.7.30ライプツィヒで初演されました。マルティン・ルターの同世代人で宗教改革者であったユストゥス・ヨーナスのコラールに基づくコラール・カンタータです。


無題.jpg


 このカンタータはアリアにみならず、合唱とレチタティーヴォにおいても劇的迫力に富み、優れた演奏効果を持っています。原コラールは詩篇第12篇に依拠したもので、神を味方に頼んでの、敵との戦いをテーマとして、福音書の語る「警戒すべき預言者」の姿を浮かび上がらせています。


 トン・コープマン指揮、アムステルダム・バロック・オーケストラ&合唱団、アネット・マーカート(A)、クリストフ・プレガルディエン(T)、クラウス・メルテンス(B)の演奏でお聴きください。




1.合唱

主なる神が私たちの側に立ってくださらなければ

敵が猛り立っているのに

神が私たちのことを心にかけてくださらず

はるか天上に高く座すのみであるならば

神がイスラエルを護ってくださらず

みずから敵のはかりごとを打ち破らないのであれば

私たちには、もはや望みはない。

2.コラールとレチタティーヴォ(アルト)

  人間の力と知恵が始めたことが

  私たちを恐れさせていいはずはない。

なぜなら、いと高き者である神が私たちの側に立ち、

私たちを、その縄目から解放してくださるからだ。

  神はいと高きところにおられる。

  神は、人間のはかりごとを暴かれるだろう。

信仰のうちに神を堅く抱く者たちを

神はけっしてなおざりにされず、

 見捨てられない。

神は、背く者たちのはかりごとをくつがえし、

その悪しき行為を阻んでくださる。

  彼らが狡智のかぎりを尽くして

   襲いかかろうとも

蛇のたくらみとあぎむく陰謀をめぐらし、

悪の究極の日あてを達しようとしても、

  神は、別の遁を進んでゆかれるのだ。

神は、自分の者たちを強い御手で

十字架の海を越え、約束の地へと

 導いてくださる。

その地で、神はあらゆる不幸を逆転させるだろう。

  事は、その御手に握られているのだ。

3.アリア(バス)

ちょうど荒れた海の波が

猛り狂って舟を砕くように、

激した敵どもも猛り立って

魂のこよなき宝を奪う。

彼らはサタンの国を広げようとし、

キリストの小舟を難破させようと図る。

4.コラール(テノール)

彼ちは私たちを異端者のごとくつけ狙い、

私たちの血を追い求める。

その彼らも、自分をキリスト者であると誇り、

神のみを崇める、と称している。

ああ神よ、あなたの尊い御名が

よこしまをふさぐ蓋にされてしまっているのです。

あなたは必ずや、立たれることでしょう。

5.コラールとレチタティーヴォ(バス、テノール、アルト)

彼らは口を大きく開き、

B:咆哮する獅子さながらに殺戮の牙を剥きだす。

そして、私たちを呑み尽くそうとする。

T:だが

賛美と感謝がいつも神にありますように。

T:ユダから出た勇士は、私たちをなお守ってくださる。

彼らの目論見は、成功しないだろう。

A:彼らは、もみ殻のように消え失せるだろう、

  信ずる者たちが緑の木のように立つ時に。

神は破らのわなを破り、

偽りの教えを打ち倒されるだろう。

B:神は愚かな預言者たちを

  怒りの火をもって殺し、

  異端の教えをくつがえされるだろう。

神の卸業を、彼らはさまたげるすべがない。

6.アリア(テノール〉

黙れ、黙っていろ、よろめく野性よ!

  言うな、信仰ある者たちが敗れるなどと。

 十字架が彼らに、新たな命を与えたのだから。

  イエスに望みをかける者たらには

  いつでも、恵みの扉が開かれている。

  十字架と苦難におしひしがれていても

  彼らは慰められ、力づけられるのだ。

7.コラール合唱

敵はみなあなたの掌中にある、

彼らの思いもみな。

彼らの陰謀は、主よ、あなたには周知のこと。

お助けください、私たちが動揺しないように。

理性は信仰に戦いを挑む、

来たるベきことを、それは信じようとしない、

あなたがみすから慰め役となる、

 その時のことを。

天と地とに、

主なる神よ、あなたほ基を据えられました。

あなたの光が私たちを明るくしますように、

私たちの心に火が灯されますように、

あなたの信仰の、まことの愛の中で。

終わりの時まで、私たちを堅く立たせてくたさい、

世がたとえ不平をつぶやいても。

スポンサーサイト
コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する