排便のメカニズムを知り、快便で大腸がん予防!

 大腸がん予防のポイントとなるのは排便です。ヒトはパンのみに生きるにあらず――。しかし、食べなければ生きられないので、賢く楽しく美味しく食べたい。快食・快眠・快便こそ、生涯健康を支えるバックボーンです。

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 消化から排便までのメカニズムを、ざっと説明すると、ヒトの消化管は、食道、胃、十二指腸から、約5~6mある小腸から1.5mの大腸へつながっています。

 食べ物は、かみ砕かれて食塊になり、食道を通って胃に送られます。胃は、食べ物が入るとゴムのように伸縮し、1.5~2リットルほどの容量の食塊が入り、食塊は、強酸性の胃液(塩酸)の撹拌と胃の蠕動運動によって、消化されやすいドロドロ状態になります。食べ物が胃の中に滞留する時間は、米やパンなどの炭水化物が2~3時間、肉や魚などのタンパク質が4~5時間、脂肪が7~8時間です。

 ドロドロ状態の食塊が胃から十二指腸に移動する時は、肝臓で作られ胆のうに蓄えられていたアルカリ性の胆汁が十二指腸へ流れ込み、胃酸を中和します。

 十二指腸の粘膜からは、セクレチンやコレシストキニンなどのホルモンが多量に放出され、これらのホルモンは膵臓に働きかけて、膵液、トリプシン、キモトリプシン、アミラーゼ、リパーゼなどの消化酵素の分泌を盛んに促します。トリプシンとキモトリプシンはタンパク質を、アミラーゼはデンプンを、リパーゼは脂肪を、アミノ酸やブドウ糖などの栄養素に分解し、小腸で吸収しやすい形に変えます。

 このように分泌される胃液、胆汁、膵液の量は1日約6リットル。これに食べ物の水分や唾液、消化酵素がプラスされ、9リットルもの栄養素を含む液体になり、9リットルのうちの7リットルは、栄養素とともに小腸で吸収されます。

 小腸の内壁には、絨毛(じゅうもう)と呼ばれる小突起におおわれた輪状のヒダがあり、この絨毛の細胞膜から消化酵素が分泌され、食べ物はさらに分解されて、ほとんどが小腸で消化・吸収されます。消化・吸収されない食物繊維などが混ざった残りの2リットルは、水のような状態で大腸をめざします。

 水分や電解質を吸収するのが大腸です。大腸に到達した食べもののカス(食物残渣)の9割が水分で、食べもののカスだけが固まり、便になり直腸から排泄されます。食後およそ24時間~30時間。こうして排泄までの長い道のりの旅が終わります。

便意はなぜ起きるのか?

 では、どのようにして便意を感じるのでしょうか? 簡単にいえば、直腸に便が溜まると、その重みで直腸壁が伸展し、「ウンチをしたい!」という刺激が排便中枢から大脳に伝わって、便意を感じる。つまり、便意が起きると、腹筋の収縮、横隔膜の下降によって腹圧が高まり、便を押し下げます。その結果、内肛門括約筋と外肛門括約筋が緩み、便が排出されます。

 排便時の仕組みをもう少し説明すると、ヒトは体を横たえたり、直立している時は、恥骨直腸筋と浅部肛門括約筋の働きによって、直腸と肛門のなす角度(直腸肛門角)が鋭角になるため、直腸に便が溜まっても簡単に排出しません(フラップバルブ・メカニズム)。内肛門括約筋と外肛門括約筋が収縮するので、肛門は閉じたままなのです。

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 しかし、朝起きて立ち上がったり食事を摂ると、起立反射や胃結腸反射が起きるため、便が直腸に送られます。さらに、トイレでしゃがんだ姿勢をとると、体が前に折り曲がり、直腸と肛門のなす角度(直腸肛門角)が鈍角になるので、便が出やすくなります。

 排便は、環境や精神状態に大きな影響を受けます。旅行先や緊張する場面など、ストレスが強い時は便秘になりやすく、旅行先から帰って我が家のトイレに入った時や緊張がほぐれた時は、排便がスムーズになります。これは、だれもが経験しています。

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 つまり、ストレスが強い時は交感神経が優位になり、リラックスした時は副交感神経が優位になり、大脳は環境や精神状態よって排便反射を判断し、コントロールしているのです。排便の準備が整うと、大脳からの抑制がなくなるので、直腸肛門角も緩やかになり、肛門も開き、直腸の収縮によって排便される仕組みです。

 ただ、排便のメカニズムは、中枢神経をはじめ末梢神経、結腸壁内神経叢、腸管運動、心因的要素などが複雑に絡み合い、まだすべてが解明されてはいません。

(Health Perssより、画像追加)
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