今の時期が危ない…ハチに刺されてアナフィラキシーショック!

 北海道士幌町で23日、音更町の酪農業の男性(37)がスズメバチに刺され、まもなく死亡した。帯広署によると、男性は家族らと農作業中に手を刺されたという。男性は過去にも刺されたことがあり、ショック死したとみられる。(朝日新聞Digitalより)

 初夏から真夏にかけて活発になるイメージのある毒バチ。ところが危険とされるスズメバチは秋の行楽シーズンこそ気をつけなければならない時期だと言います。日本では実に毎年20人ほどの方がハチに刺されて亡くなっています。


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 刺すハチの中で攻撃性が高いのはスズメバチとアシナガバチです。中でも注意しなくてはならないのは、スズメバチです。彼らは外敵から巣を守る防衛本能が非常に発達しているので、些細な刺激に対しても敏感に反応して人を襲います。

 またスズメバチは秋になっても活発に活動します。巣が外気に露出しているアシナガバチが、秋になると活動を終えるのとは対照的に、巣が外被に覆われており、巣内の温度が外気に影響されにくいことが理由です。

 実際、スズメバチによる被害は、夏だけでなく秋にも多く起きます。アウトドアに出かけた際はもちろん、ふだんからスズメバチには十分に注意する必要があります。

 では、刺されないようにするためには、どのようなことに注意するべきでしょうか。

 ポイントはスズメバチを興奮させる色・動き・匂いについて、理解することだそうです。一般にスズメバチを興奮させる色として、黒色が知られています。しかし実際には色そのものよりも、背景とのコントラストが重要であることが分かっています。そのため、安全と考えられている白色であっても、背景色と大きく異なれば、刺激となる可能性があります。また急に動いたり、手で追い払ったりするような動作の他、香水やオーデコロン、最近ではしっかりと香りが残るタイプの柔軟剤などの匂いも、スズメバチを刺激する可能性があります。

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個体数は増えていなくても被害が増加する理由

 スズメバチによる被害は、この数十年で大幅に増加しました。背景にはスズメバチと人が遭遇する機会が増加したことがあります。

 最も大きな理由は宅地開発や都市化が進んだことです。都市部での生活に順応したスズメバチの一部は、家の軒下や屋根裏、マンションのベランダなど、私たちの身近な場所に巣を作るようになりました。実際に自宅の庭で草むしりや樹木の剪定作業中に被害に遭うケースは多発しています。

 また東京をはじめとする大都市ではスズメバチの巣の駆除依頼が年々増加していますが、これは実際に数が増えたというよりは、メディアがスズメバチの凶暴さや恐ろしさを煽り、スズメバチに対する人々の恐怖心が高まっているからでもあります。

 もう一つ、被害者数が増加している原因の一つが、ハイキングや登山に出かける人が、増えていることが挙げられます。被害に遭った人は、気づかないうちにスズメバチのテリトリーに侵入していることが多いのですが、これはスズメバチが、木の中や地中など閉鎖された空間に巣を作るのを好むため、巣が目につきにくく、テリトリーを侵してしまうわけです。

 これらに加えて、温暖化との関係も指摘されています。一般的に昆虫の生息範囲は気温の上昇により拡大するのですが、温暖化の結果、スズメバチの生息範囲が広がっている可能性があります。


ハチに刺されて「アナフィラキシーショック」…どれくらい危険?


 ハチに刺されると、その毒による痛みなど局所的な反応が起こるほか、アレルギー反応のアナフィラキシーが起こる可能性があります。局所反応とは、数日程度続く刺された部位の痛みや、皮膚が赤くなったり(発赤)、硬くなったり(硬結)することです。ほとんどの場合、治療は冷却や軟膏などの対症療法で十分です。

 一方で、超急性の全身性アレルギー反応であるアナフィラキシーには、十分な注意を払う必要があります。アナフィラキシーはハチに刺された人の0.3~3%に起こります。典型的な症状は、全身のじんましんやむずむずちくちくとした掻痒(そうよう)感ですが、重症例になると、上気道閉塞による呼吸器症状や血圧低下などの心血管症状を引き起こします。これはアナフィラキシーショックとして知られている危険な状態であり、最悪の場合、死に至ることもあります。

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1度目は大丈夫でも、再び刺されてアナフィラキシーショックを起こす!?

 以前毒バチに刺された際にアナフィラキシー反応を起こさなかったという人も、決して油断できません。赤く大きく腫れるなどの強い症状が出た人の場合、次に毒バチに刺されたとき、1~5%ほどの確率でアナフィラキシーショックを起こす可能性があるからです。

 アナフィラキシーショックを起こすと、毒バチに刺されてから早いと10~15分以内、多くは1時間以内に死亡にいたることがあります。そのため迅速な対応が求められます。ところが実際に被害に遭う場所は、人里離れた地域も珍しくなく、対応が難しいわけです。


アナフィラキシーショックを防ぐには

 ではどのような人がアナフィラキシーショックになりやすいのでしょうか?

 現時点で明らかなのは、以前にハチの毒によるアナフィラキシーを発症した人です。この場合、次から毒バチに刺された場合に、実に30~70%の確率でアナフィラキシーを起こすと言われています。



 こうしたハイリスク群は、エピペンと呼ばれる緊急対応キットを携行することが推奨されています。発症後すぐにエピペンを用いることで、アナフィラキシー症状を抑える、あるいは弱くすることができるからです。実際に、アナフィラキシーショック発症後にエピペンをすぐに使ったことで、重症化を防ぐことができた例が増えてきています。


人から刺激がなければ襲ってこない

 スズメバチは常々、危険な生物として取り上げられてきました。もちろんそのような一面があることは否定できません。しかし、多くの場合、人からの刺激がその攻撃のきっかけとなっていることも事実です。

 これからのシーズン、スズメバチの特徴を理解して、無用に彼らを刺激することは避けたいものです。

(Nikkei Trendy Netより)
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