唐辛子で死亡率低下!

ほぼ毎日の摂取で14%減

 スパイスの効いた辛い食べ物は体に良さそうだという印象を持つ人は多いと思いますが、それを裏付ける研究結果が中国から報告されました。

 中国University Health Science CenterのJun Lv氏らは、約50万人の中国人を対象に、辛い食べ物を食べる頻度と死亡率の関係を調査。総死亡だけでなく、癌、虚血性心疾患、呼吸器疾患による死亡のリスクを辛い食べ物が有意に低減することを見いだし、BMJ誌電子版へ2015年8月4日に報告しました。

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 スパイスが健康にもたらす影響については、世界的な関心が高まっています。一部のスパイスや、カプサイシンなどスパイスに含まれる成分については、肥満や心血管疾患、消化器疾患、癌などのリスクを低減する可能性や、抗菌活性、腸内細菌叢を整えるといった効能の存在も示唆されています。しかしこれまで、スパイスで調味された食事と寿命との関係については検討されていませんでした。

 唐辛子に含まれるカプサイシンには食事量を減らす効果があります。さらに、食事にカプサイシンが含まれていると、「TRPV1」の遺伝子が働いて、高脂肪食でも肥満になりにくいと報告されています。「TRPV1」はカプサイシンを受け止める受容体と呼ばれるタンパク質の略称です。

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 唐辛子の受容体がなくなると、本来は、胃がいっぱいになったときに神経反応の働きが高まるところが抑えられると分かっています。満腹だと感じる時間が遅くなり、食べる量が増えることにつながります。TRPV1がこの橋渡しの役割を果たしているといわれます。

 中国で最も多く消費されているスパイスは唐辛子です。そのため、この研究で摂食頻度を調査したスパイスの効いた食べ物は、ほぼ唐辛子により調味された辛い食べ物です。

 そこでJun Lv氏らは、スパイスの効いた食事と、総死亡や癌など特定の疾患による死亡との関連を調べるため、大規模な住民ベースの前向きコホート研究を実施しました。

 その結果、唐辛子を使った辛い食べ物をほぼ毎日のように食べている人は、ほとんど食べない人に比べると総死亡率が顕著に低いこと、そして死亡リスクは週当たり辛い食べ物を食べる回数が多くなるほど、直線的に減少することが明らかになりました。

 また、癌や虚血性心疾患、呼吸器疾患による死亡率も、辛い食べ物をほぼ毎日のように食べている人は、ほとんど食べない人に比べて有意に低くなっていることがわかりました。

 全死亡率を香辛料入りの食品摂取別で単純に比較すると「週1日未満」集団で年1000人あたり6.1人、「週6~7日」集団では同5.8人と大きな影響は認められませんでした。しかし、他のリスク因子の影響を補正して解析した結果では、男女ともに香辛料入りの食品摂取頻度が高いほど全死亡率が低下。「週6~7日」集団の死亡リスクは「週1日未満」集団より14%減少しました。低減効果は「生唐辛子」で有意に高いことが示されました。


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生唐辛子のサラダ


 唐辛子の辛味成分「カプサイシン」はサプリメントとして流通していますが、今回の調査で死亡リスク低減効果を認めたのは生唐辛子です。最近は海外品種も出回っているので、秋口でも「生」が手に入ります。食べ過ぎない程度に唐辛子のサラダはいかがでしょうか。

(日経メディカル、Diamond Online他より)
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