電動一輪車、公道での走行試験がOKに

 体を傾けるだけで操れる、SFに登場するような乗り物――。「搭乗型移動支援ロボット」とも呼ばれる電動一輪車が身近になりつつあります。国の規制緩和で公道での走行試験が可能になり、年寄りの移動手段から若者のレジャーまで広がる可能性が出てきました。


体重かけると前進

 幅約20センチのタイヤ1本に座席とハンドルがついた「電動一輪バイク」。またがって体重を前にかけると、車輪内のモーターが駆動して動き出した。滋賀県豊郷町の企業が約10年かけて開発した「ワンホイールi―1」です。


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 一輪でも倒れずに安定するのはジャイロセンサーのおかげです。ほうきを手のひらの上に立てて倒さないようにする遊びと同様、傾きを検知して自動でバランスをとります。国内では2006年に発売された二輪の立ち乗り型移動支援ロボ「セグウェイ」と同じしくみです。

 ワンホイールは電機メーカーのエンジニア出身の森田修栄社長がデザイン。10月から企業や個人に約200台の出荷を始めました。60~70代の男性からも問い合わせがあり、高齢者の使用も想定しています。安全な歩道走行ができるように補助輪仕様を開発中です。


高齢化社会見据え

 こうした乗り物はこれまで公道を走れなませんでしたが、国土交通省は今年7月、高齢社会への対応や地球温暖化対策を理由に、関連する規制を緩和しました。1人乗り、最高速度が時速10キロ、長さ約150センチ、幅約70センチ以下などの条件を満たし、国の認定を受ければ、公道試験として走れるようになりました。別に警察の道路使用許可などが必要になります。

 国交省技術試験課によると、茨城県つくば市などで11年から3年間行われたセグウェイなどによる公道実験の結果、自動車やバイクのようなブレーキがなくても、体重移動で制御できることなどを確認しました。

 同様のしくみの電動一輪車は続々と登場しています。

 ホンダが開発中の「ユニカブ」は、同社の人型ロボ「アシモ」が自動でバランスをとる技術も応用しました。座席に座って体重移動すれば、その場で回転したり、斜めに移動したりと全方向に動けます。屋内での利用を想定して最高で時速6キロにとどめています。


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 大阪市北区のグランフロント大阪の施設で利用法を試験中で、活用に取り組む積水ハウスの石井正義総合住宅研究所長は「いつまでも健康的な生活を続けるため、ロボット技術が役立つ」と話しています。

 軽快な操縦感覚が味わえる、主に若者向けを想定した電動一輪車が米国製の「SBU V3」です。練習が必要ですが、製品を扱うヘイウッドインターナショナルは「早い方で5分、平均20~30分で乗りこなせる」といいます。同社は16歳以上の利用を推奨しています。


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 「ナインボット・ワン」は立ち乗りタイプの一輪車。販売元の中国の企業は今春、「セグウェイ」社を買収した。国内販売を扱うオオトモ(大阪市)の沈連俊新規事業部係長は「電動アシスト自転車のような普及を期待しています」。



 二輪の立ち乗り型や車いすタイプの開発も進んでいます。20年の東京オリンピックを機に、観光や移動目的の利用が広がると各社は見込んでいますが、現在市販されている一輪タイプで約10万~約30万円するので、一定の取得コストがかかります。また、公道を多くの人が走るようになった場合の安全性も、今後の課題になりそうです。

(Asahi Digitalより、画像、動画追加)
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