ヴィオリーノ・ピッコロ

 ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ――この3つの楽器は形と構造がほぼ同じで、演奏法も基本的には同じ、つまり同属楽器であり、今ではまとめてヴァイオリン属と呼ばれています。

 バロック時代のヴァイオリン属にはこれら以外にもいくつかのサイズがありました。このうちヴィオリーノ・ピッコロ(ピッコロ・ヴァイオリン)、ヴィオラ・ポンポーサ、ヴィオロンチェロ・ピッコロ(ピッコロ・チェロ)はBACHの作品でもよく使われています。


ピッコロバイオリン。<br>世界に数台しかない貴重な品です。

ヴィオリーノ・ピッコロ(右)世界に数台しかない貴重な品(大阪音楽大学音楽博物館)


 ヴィオリーノ・ピッコロが活躍する代表曲はブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調(BWV1046)ですが、この曲は当時ドイツ最大の宮廷楽団を持っていたドレスデンにBACHが招かれた際、ヴァイオリンの名手ジャン・バティスト・ヴォリュミエを念頭に置いて華やかな名技が発揮できるようにと、ヴィオリーノ・ピッコロのパートを加えて完成させたと言われています。


第1楽章 ヘ長調2/2拍子

第2楽章 アダージョ ニ短調3/4拍子

第3楽章 アレグロ ヘ長調6/8拍子

第4楽章 メヌエット ヘ長調3/4拍子(メヌエット-第1トリオ-メヌエット-ポラッカ-メヌエット-第2トリオ-メヌエット)


 初めにシギスヴァルト・クイケン指揮、ラ・プティット・バンドの演奏でお聴きください。特に第2楽章のオーボエとヴィオリーノ・ピッコロとの対話と、第3楽章のの協奏曲風の活躍が目立ちます。ヴィオリーノ・ピッコロの演奏はルイス・オタヴィオ・サントスだと思います。



 マレク・シュトリンツル指揮、ムジカ・フロレアはチェコのバロック・オーケストラですが、この演奏ではヴィオリーノ・ピッコロの特徴がよく出ています。




 フライブルク・バロック管弦楽団の演奏録画もありますが、来日した時ゴットフリート・フォン・デア・ゴルツはヴィオリーノ・ピッコロを弾いていたそうです。この録画ではダニエラ・ヘルムは通常のヴァイオリンで演奏しているように見えます。(動画の最初に第4番が流れますが、すぐに第1番が始まります)



 教会カンタータ「目覚めよと呼ぶ声あり」BWV140の第3曲 (二重唱)では、魂(ソプラノ)とイエス(バス)の間で交わされる、霊化された愛の二重唱のオブリガートとしてヴィオリーノ・ピッコロが使われる美しい曲です。



 この画像には、ニコラス・アーノンクール指揮、ウイーン・コンツェントゥス・ムジクス、アラン・ベルギウス(ボーイ・ソプラノ)、トーマス・ハンプソン(バス)の演奏が使われています。この演奏もオブリガートは普通のヴァイオリンで演奏しているように聴こえます。


ヴィオリーノ・ピッコロの演奏(ゴットフリート・フォン・デア・ゴルツ)
スポンサーサイト
コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する