Googleが実践する「マインドフルネス」は創造性を殺す?

 「今この瞬間自分が体験していることに意識を向ける」という「マインドフルネス」は近年の研究で有効性が示され、Google社員の間でも実践されています。「ストレスを軽減させる」「疾病のリスクが減る」というメリットが挙げられるマインドフルネスですが、「マインドフルネスを実行することでクリエイティビティが根こそぎ奪われてしまった」と主張する人が、マインドフルネスのデメリットを明かしています。


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 自分の身の回りに起こっている事に意識を完全に集中させるというマインドフルネスは瞑想に近いもので、現在は医療の分野でも用いられています。さまざまな効能があるマインドフルネスですが、ざっくりと利点を説明すると、以下の通りです。

●ストレスや不安を軽減する

●よりよい決定を行えるようになる

●集中力が増す

●創造性が増す

●長生きできる

●血圧を下げる

●コレストロールの値を下げる

●快眠

 これだけ聞くといいことづくめ。しかも座って呼吸を繰り返すマインドフルネス行為に関しては1日に10分行うだけでも効果があるとのことで、ベンチャーキャピタルKickpayの共同創設者であるステファノ・バーナディさんは実際にマインドフルネスを実行してみることにしたそうです。


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 バーナディさんはマインドフルネスに関して解説するウェブサイトから瞑想やマインドフルネスの実践方法をダウンロードし、1日10分か、ストレスを感じている時にはそれ以上の瞑想を行い、 日常生活では自分が行っていることや、口の中の食べ物、皮膚の上を流れる水、息づかい、街の喧騒などに集中するという方法でマインドフルネスを実践していました。

 「瞑想を数カ月間続けた結果、自分の中で何かが完全に変化したのを感じた」と語るバーナディさんですが、変化は必ずしもよいものではなかったようです。それまで、バーナディさんは膨大な知識を取り込み、常に頭の中でアイデアを比較衡量し、物事のできるだけ多くの側面を読み取ろうとしていたとのこと。通勤電車の中でもオーディオブックを聞き、自分の人生やビジネスにインパクトをもたらすものは何かを考え、寝る前もベッドの中で意識がなくなるまで思考し、シャワーを浴びている10分間で思いも寄らないアイデアを得ることもありました。


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 しかし、瞑想やマインドフルネスを実行し、電車の中で人々の息づかいや景色を感じ、ベッドでは頭を空っぽにして体の重さに意識を向け、シャワー中は皮膚の上を流れる水滴を感じてリラックスしたところ、それまでに感じていたアイデアや創造性は全て消え去ってしまったそうです。

 バーナディさんの創造性は本を読み、考え、読んだ物が人生やビジネスにどう適用できるかを確かめようとすることで生み出されていました。しかし、瞑想とマインドフルネスを実行したことで、考える時間が減り、創造性がなくなったとバーナディさんは感じた様子。ストレスを軽減するはずの瞑想やマインドフルネスですが、バーナディさんの場合、「ストレスのもととなる考え事が消えたことでストレスが生まれる」というよく分からない事態になったわけです。


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 その後、バーナディさんは瞑想やマインドフルネスを行うことを中止。取り組みをやめてみると、再び創造性は戻ってきて、集中すべきことに集中できるようになったとバーナディさんは語っています。

 「瞑想やマインドフルネスのやり方を間違えたのかもしれないが、もしかすると全ての人に向いている訳ではないのかもしれない」と語るバーナディさん。細かいことにストレスを感じやすい人にはいいのかもしれませんが、常に頭の中で考えを巡らせている人にはデメリットをもたらす場合も。マインドフルネスを実行する場合は盲信するのではなく自分に合っているかどうかをしっかり見極める必要がありそうです。

(Life Learning -Gigazineより)


マインドフルネスとは

 マインドフルネス認知療法は、マインドフルネス(気づき、注意コントロール)を基礎に置いた心理療法で、第3世代の認知療法の1つ。心に浮かぶ思考や感情に従ったり、価値判断をするのではなく、ただ思考が湧いたことを一歩離れて観察するという、マインドフルネスの技法を取り入れ、否定的な考え、行動を繰り返(自動操縦)さないようにすることで、うつ病の再発を防ぐことを目指す。

 1979年に、痛みの患者のために開発されたマインドフルネスストレス低減法(MBSR)を、うつのために転換したものである。MBSRが身体のストレスであるがん、慢性疼痛、心臓病や線維筋痛症に焦点を当てているのに対し、MBCTはうつ病、不安、燃え尽き、摂食障害といった認知に焦点を当てている。危険な副作用を持っている可能性は低く、教育、妊娠中、刑務所などで使用されている。

(Wikipedia)
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