ブランデンブルク協奏曲 第2番 ヘ長調(BWV1047)

 この曲は4つのソロ楽器、トランペット、リコーダー、オーボエ、ヴァイオリンを均等に扱ったコンチェルト・グロッソ(合奏協奏曲)で、中でもトランペットが高音で技巧的なパッセージを吹きまくる、たいへん華やかな響きのある作品です。

 音量の小さいリコーダーとトランペットの組み合わせはバランスが悪いと思われますが、BACHはその対比を見事に表現しています。


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BACH時代のナチュラル・トランペット


 当時のトランペットはバルブ機構がなく、現在のトランペットより管が長く高次の倍音を使って演奏します。現在の楽器では第9倍音くらいまでを使いますが、バロック音楽では16倍音くらいまで使います。しかし倍音の間が狭いので正確に吹き分けるのは非常に難しいといいます。


 また、動画を見ると右指を動かしているのがわかります。管に開けたベントホールを操作していますが、昔はこれらのホールはありませんでした。演奏の難しさが容易に想像できます。

 BACHがこの楽器にこれほど技巧的なパッセージを作曲したのは、この曲がケーテンのトランペットの名手ヨハン・ルートヴィヒ・シュライバーのために書かれたからだと言われます。


第1楽章 ヘ長調 2/2拍子

第2楽章 アンダンテ ニ短調 3/4拍子

第3楽章 アレグロ・アッサイ ヘ長調 2/4拍子


 演奏の比較をするために、Youtubeから国別に5つの演奏を選んでみました。それぞれ指揮者や団体の国民性を反映しているような気もします。


 まずドイツのフライブルク・バロック管弦楽団の演奏録画でお聴きください。



 次はイギリスのジョン・バット指揮ダニーデン・コンソートの演奏ですが、 A=392Hzのピッチで演奏しています。



 ベルギー出身のシギスヴァルト・クイケン率いるラ・プティット・バンドです。



 コンチェルト・イタリアーノはリナルド・アレッサンドリーニが指揮をしています。



 最後は日本を代表する鈴木雅明が率いるバッハ・コレギウム・ジャパンです。



 どの演奏も素晴らしく、ベストを選ぶのは難しいのですが、この曲はやはりトランペットの技量が演奏の良し悪しを左右します。全体のテンポや纏まりとしては演奏活動が豊富なシギスヴァルト・クイケンが優れていると思いますが、トランペットはドイツのフリーデマン・イメルやイギリスのデビッド・ブラックアダーが上手いと思います。

 Youtubeでは他にも多くの演奏が聴けますが、グスタフ・レオンハルトやニコラス・アーノンクールの演奏は、トランペットの演奏技術も劣り、今聴くと時代を感じてしまいます。
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