減塩できない人は、カリウムを多く摂ろう!

細胞の機能を維持し、余分なナトリウムを排泄するカリウム

 カリウムは成人では体重1kgあたりに約2g含まれています。そのほとんどが細胞内に存在し、ナトリウムとコンビで細胞の機能を支えています。

 細胞が活動するためには、その内外に水分が必要です。細胞内液にはカリウムが、細胞外液にはナトリウムがそれぞれ多く含まれています。細胞膜にはカリウムとナトリウムを汲み出すポンプ機能がついていて、細胞内外の濃度が一定になるように調節しています。

無題.png

 過剰にナトリウムを摂取したり、カリウムが不足したりすると、カリウムが細胞外に出てしまい、細胞の機能を維持できなくなってしまいます。

 また、カリウムには、ナトリウムが腎臓で再吸収されるのを防いで排泄を促し、血圧を安定させる作用があります。

 血圧を下げたり、脳卒中を予防したりしたい場合、成人男性は1日3000mg以上、成人女性は2600mg以上カリウムをとることがすすめられます。しかし、実際にとれている量は、成人男性は2400mg、成人女性は2200mgと不足気味です。


カリウムを多く含む食品(mg)


無題.jpg


塩分摂取は全国2位なのに、長寿ナンバーワンの長野県

 かつては長寿県といえば沖縄県でしたが、現在のナンバーワンは男女ともに長野県です。長野県は味噌や野沢菜漬けが有名なことからもわかるように、塩分摂取の多い県です。しかし、同時に、野菜を多くとる県でもあります。

 男女ともに、「野菜1日350g以上」をクリアしているのは長野県だけです。長野県の平均寿命がトップになったのは、県を挙げて減塩や運動に取り組んできたことも大きいのですが、余分なナトリウムを排泄するカリウムを野菜からたっぷりとっていることも無関係ではないといいます。

 カリウムは野菜、芋、果物などに多く含まれています。水に溶けやすいので、煮物や汁物は汁ごと食べるのがおすすめです。汁ごと食べるためには、塩やしょうゆなどの調味料は控えめにします。

 カリウムを手軽にとるには、野菜ジュースもおすすめです。市販の野菜ジュースのカリウムの含有量はメーカーによってさまざまですが、血圧を気にして野菜ジュースを飲むなら、成分表示をよく見て、カリウムが多いものを選ぶといいでしょう。


夏は熱中症、冬は下痢で不足しやすい

 人体を構成する成分のなかでミネラルが占める割合は約5%。ごく少量なので、発汗などのちょっとしたきっかけで不足しやすくなります。

 今年は猛暑で熱中症になる人が続出しました。汗をなめると塩辛いことからもわかるように、汗で多く失われるのはナトリウムです。しかし、カリウム、カルシウム、マグネシウムなども失われています。

 熱中症になるとこむら返りやけいれんなどが起こるのは、これらのミネラルが筋肉の収縮と関わっているからです。

 熱中症対策に“汗をかいたら塩をなめればいい”と言う人がいますが、ナトリウムだけでなく、ミネラルを複合的に含んでいるスポーツドリンクや梅干し、麦茶、スイカなどのほうが実はおすすめです。

 これからの季節、気をつけたいのは嘔吐や下痢です。ノロウイルスやインフルエンザなどで激しい下痢や嘔吐をすると、脱水症状を起こしやすく危険です。とくに一人暮らしの人は、いざというときのために、スポーツドリンクや経口補水液を備えておくといいでしょう。



 最近、見かけるようになった経口補水液は、スポーツドリンクよりもミネラル濃度が高く、脱水がひどいときに病院で行う輸液に近いものです。万一に備えて用意しておきたいものですが、経口補水液はあくまでも緊急事態のためのもで、普段、運動をするときなどに飲むと、ナトリウムやカリウムのとりすぎになります。高血圧の人や腎疾患のある人は注意が必要です。

 最近、カリウムが骨粗鬆症の予防に関係していることもわかってきました。ナトリウムを多く摂取すると、尿中へのカルシウム排泄量が増えますが、カリウムの摂取量が増えると、カルシウムの排泄量が減少すると考えられています。

 ここでも、カリウムとナトリウムはコンビで働いていることがわかります。ミネラルをとるときは、常に“バランス”を考えることが重要です。

(Nikkei Goodayより)
スポンサーサイト
コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する