いざ来たれ、異教徒の救い主よ(BWV62)

 待降節はイエスの降誕を待ち望む準備の期間です。12月25日から数えて4つ前の日曜日を待降節第1主日とし、教会暦はここから始まります。

 今日聴くカンタータは、1724.12. 3、ライプツィヒで初演されました。ヴァイマール時代に作られたBWV61と題名は同じですが、全体がルターの同じコラールに基づくコラール・カンタータです。


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 ルターのコラール以外の作詞台本の作者は不詳ですが、内容はすべてが具体的な降誕へと向かっています。特に「飼葉桶」を歌う第5曲はクリスマスの先取りと言えます。

 なお、ライプツィヒでは待降節期間中は第1主日カンタータ以外は演奏されなかったので、クリスマスまで、日曜カンタータはありません。


 フリップ・ヘレヴェッヘ指揮、コレギウム・ヴォカーレ・ゲント及び合奏団、シビラ・ルーベンス(S)、サラ・コノリー(A)、クリストフ・プレガルディエン(T)、ペーター・コーイ(B)の演奏でお聴きください。




いざ来たれ、異教徒の救い主よ(BWV62)

1.合唱

Nun komm, der Heiden Heiland,

どうぞ来て下さい、すべての民の救い主よ、

der Jungfrauen Kind erkannt,

乙女から生まれる御子と預言された方よ。

des sich wundert alle Welt,

全世界が驚嘆するのを承知の上で、

Gott solch Geburt ihm bestellt.

神は御子の誕生をこのようにあらかじめ定めておかれたのです。

2.アリア(テノール)

Bewundert, o Menschen, dies große Geheimnis:

驚きをもって迎えなさい、おお人々よ、この大いなる神秘を.

der höchste Beherrscher erscheinet der Welt.

最高の統治者(神)がこの世に現れたのです。

Hier werden die Schätze des Himmels entdecket,

いまここに天国の宝がこうして見出されるようになり、

hier wird uns ein göttliches Manna bestellt,

いまここに私たちのために神からのマナ(食物)が用意されたのです。

O Wunder! die Keuschheit wird gar nicht beflecket.

乙女の純潔は少しも損なわれていないのです。驚きをもって.

3.レチタティーヴォ(バス)

So geht aus Gottes Herrlichkeit und Thron

こうして神の栄光と玉座を

sein eingeborner Sohn.

神の独り子は離れ去った。

Der Held aus Juda bricht herein,

ユダ族の勇士(キリスト)としてこの世界に入り、

den Weg mit Freudigkeit zu laufen

喜びをたずさえてその道を走り抜き、

und uns Gefallne zu erkaufen.

罪に落ちた私たちを買い戻すために.

O heller Glanz, o wunderbarer Segensschein!

おお、晴れやかな光よ、おお、驚<べき祝福の輝きよ。

4.アリア(バス)

Streite, siege, starker Held!

戦え勝利せよ、強き勇士よ。

sei vor uns im Fleische kräftig!

私たちに先駆けて肉の弱さ(罪、死)を克服せよ。

Sei geschäftig,

あなたの働きによって、

das Vermögen in uns Schwachen

弱さに閉じ込められた私たちの力が

stark zu machen!

どうか強められますように。

5.レチタティーヴォ(二重唱 ソプラノとアルト)

Wir ehren diese Herrlichkeit

私たちは神の栄光をたたえて、

und nahen nun zu deiner Krippen

今こうしてあなたの眠る飼葉桶に近づきます。

und preisen mit erfreuten Lippen,

唇には喜びがあふれ、あなたが私たちのために

was du uns zubereit;

成し遂げて下さることを賛美します。

die Dunkelheit verstört uns nicht

私たちはもう暗闇におびえることはありません、

und sahen dein unendlich Licht.

あなたの永遠の光を見ているのですから。

6.コラール

Lob sei Gott, dem Vater, ton,

父なる神に賛美あれ、

Lob sei Gott, sein'm ein'gen Sohn,

独り子なる神に賛美あれ、

Lob sei Gott, dem Heilgen Geist,

聖霊なる神に賛美あれ、

immer und in Ewigkeit!

いつまでも、とこしえにいたるまで。

訳詞:小林英夫


 新しい教会暦に合わせて、カンタータをもっと掘り下げて聴こうと思い、ドイツ語の歌詞も行間に挿入することにしました。カンタータは歌詞の内容と旋律や楽器の音形が密接に結びついています。歌詞に目を通しながら聴かなければ作品が十分理解できません。このブログではすべてのカンタータに歌詞を添付します。(訳詞者の分かるものは必ず添え書きします)

 私はキリスト教の信者ではありませんが、このブログをきっかけに、BACHの教会カンタータの素晴らしさを、一人でも多くの方に味わっていただければ幸いです。

 また、当日の福音書聖句も歌詞と密接な関係がありますので、記載することにします。福音書聖句は「聖書 新共同訳」日本聖書協会から転記します。


マタイによる福音書 21章 1-9

 一行がエルサレムに近づいて、オリーブ山沿いのベトファゲに来たとき、イエスは二人の弟子を使いに出そうとして、言われた。「向こうの村へ行きなさい。するとすぐ、ろばがつないであり、一緒に子ろばのいるのが見つかる。それをほどいて、わたしのところに引いて来なさい。もし、だれかが何か言ったら、『主がお入り用なのです。』と言いなさい。すぐ渡してくれる。」それは、預言者を通して言われていたことが実現するためであった。

「シオンの娘に告げよ。『見よ、お前の王がお前のところにおいでになる、柔和な方で、ろばに乗り、荷を負うろばの子、子ろばに乗って。』」

 弟子たちは行って、イエスが命じられたとおりにし、ろばと子ろばを引いて来て、その上に服をかけると、イエスはそれにお乗りになった。大勢の群衆が自分の服を道に敷き、また、ほかの人々は木の枝を切って道に敷いた。そして群衆は、イエスの前を行く者も後に従う者も叫んだ。「ダビデの子にホサナ。主の名によって来られる方に、祝福があるように。いと高きところにホサナ。」

※ ホサナ=ヘブライ語​から​の​言葉​で,「お​救い​ください」の​意味。賛美​や​嘆願​の​中​で​用いられる。
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