生牡蠣による急性ウイルス性肝炎に注意!

 いよいよ牡蠣が美味しいシーズンがやってきます。その旬は、産卵を終えた11月頃から始まり、産卵の準備に入る3~4月になると最も濃厚でクリーミーな味わいになるといいます。英語圏では5月(May)や8月(August)など、「R」の付かない月(5~8月)には牡蠣を食べてはいけないと言われるほどですが、これは真牡蠣の場合で、岩牡蠣は6~8月が旬とされています。


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 さて、どんな牡蠣好きでも、「生食」の際は少なからずビクビクしてしまうものです。そして、一度でも「あたった」経験がある人は、その筆舌に尽くしがたい苦しみのために、「二度と食すものか!」となるはずです。なかでも気をつけたいのが、ウイルス性肝炎です。


ウイルス性肝炎とは

 肝臓は、2000種類もの酵素を使って、物質の代謝、解毒、胆汁の生成、栄養の貯蔵のために休みなく働きながら、体のホメオスタシス(恒常性)を保っています。まさに肝心かなめの臓器です。万が一、障害を受けても、予備力や復元力が強いため、自覚症状が現れにくいので、沈黙の臓器といわれる所以です。

 肝炎は、ウイルス、アルコール、薬剤などが原因で肝臓に炎症が起こり、発熱、黄疸、全身の倦怠感などの症状が出る肝臓病です。ウイルス性肝炎は、肝臓が肝炎ウイルスに感染し、肝機能障害を起こす肝臓病で、日本人が罹る肝炎のおよそ80%を占めています。

 ウイルス性肝炎は、感染するウイルスの種類によって、A型、B型、C型、D型、E型、G型、TT型などに分けられなす。日本人は、B型肝炎(患者数約150万)とC型肝炎(患者数約150万~200万人)が多いといいます。

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生水や魚介類から発症するA型肝炎!

 A型肝炎は、A型肝炎ウイルスに汚染された生水や魚介類を摂取することによって発症します。経口感染すると2~6週間後に症状が生じ、2~3ヶ月以内に治癒します。

 症状は、発熱、倦怠感、食欲不振、吐き気、嘔吐、下痢、頭痛、関節痛など、風邪のような症状が約1週間続く。その後、黄疸が出て、尿が濃い黄色になり、灰白色の便を排泄します。ウイルスが肝細胞を破壊するため、血中のGOT(AST)とGPT(ALT)が上昇します。

 GOT(グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ)とGPT(グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ)は、肝細胞の中でアミノ酸を作る酵素で、肝細胞が破壊されると、血液中のGOT(AST)とGPT(ALT)の量が増えるため、その値を検査すれば肝炎ウイルスによる病態がつかめます。

 小児は感染しても発症しなかったり、軽症になるケースが多いのですが、高齢者ほど重症化しやすく、安静と栄養補給に気をつければ、ほとんど慢性化しません。しかし、安静を怠ったり、過労が重なると、腎不全や劇症肝炎に移行する場合もあるので注意が必要です。

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生で食べる以上、絶対にあたらない方法はない

 さて、これからシーズンを迎える牡蠣ですが、A型肝炎のほかにもノロウイルス、腸炎ビブリオ、食物アレルギーによって「あたる」ことがあります。アレルギー以外は、「しっかりと加熱」すれば、あたることはありません。

 それでも生牡蠣が食べたいときはどうしたらいいか?

 滅菌海水プールで浄化・洗浄された「生食用の牡蠣を食べる」ことと、寝不足や疲労など「体調の悪いときに食べない」こと、この2つが絶対です。ただし、生で食す以上、「絶対にあたらない方法はない」ということも肝に命じておきましょう。

(Health Pressより要約)
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