カフェイン中毒で国内初の死亡者

 九州地方で今年、眠気覚ましをうたうカフェイン入り清涼飲料水を頻繁に飲んでいた20代男性がカフェイン中毒で死亡していたことが、福岡大法医学教室の分析で分かりました。胃の内容物にはカフェイン錠剤の可能性がある破片も混じっており、錠剤がどの程度死亡に関与したかは不明ですが、同教室は飲料の大量摂取が原因とみています。状況から自殺目的で一時的に大量服用したのではないといいます。

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深夜~早朝の勤務、「エナジードリンク」

 厚生労働省食品安全部は「国内でのカフェイン中毒死は聞いたことがない」としており、常用での中毒による死亡は国内初の報告例とみられます。

 男性はカフェイン入り清涼飲料水を、眠気を覚ますため日常的に飲んでいたといいます。同様の製品を販売するメーカーは「何本も続けて飲んだり、副作用が強くなるアルコールと一緒に飲んだりするのは避けてほしい」としています。

 国内外で若者を中心に、カフェイン過剰摂取が問題となっています。含有量の多い飲料が販売されている米国では十数件の死亡例が報告されており、「国内でも死亡例があるはず」とみる専門家もいました。国内で摂取許容量などの基準はありません。

 福岡大法医学教室などによると、男性は24時間営業のガソリンスタンドで深夜から早朝の勤務。帰宅後は夕方まで起きていて、その後に寝て出勤する毎日でした。エナジードリンクと呼ばれるカフェイン入り飲料を多用し、死亡する約1年前から体調不良を訴え、吐いて寝込むことを数回繰り返していました。カフェイン中毒症状とみられ、死亡当日も帰宅後に吐いて寝込んでいました。数時間後に家族が気付き、救急搬送したが手遅れでした。飲んだ量がどれくらいかは不明です。

 警察の依頼で福岡大の久保真一教授(法医学)が男性の解剖を担当し、カフェイン中毒死と判断し警察に報告しました。久保教授によると、男性は持病もなく目立つ異常はありませんでしたが、血中に少量のアルコールが残っていたほか、胃の内容物や血液、尿に高濃度のカフェインが残っていました。

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血中カフェイン濃度と症状


カフェイン中毒にならないためには

 海外では、食品に含まれるカフェインについて、摂取目安量を設定している国や国際機関があります。

世界保健機関(WHO)

 カフェインの胎児への影響については、まだ確定していませんが、妊婦はコーヒーの摂取量を一日3~4杯までにすべき、としています。

英国食品基準庁

 妊婦がカフェインを摂り過ぎることにより、出生児が低体重となり、将来の健康リスクが高くなる可能性があるとし、妊娠した女性に対して一日当たりのカフェイン摂取量を 200 mgに制限するよう助言しています。また、高濃度のカフェインは自然流産を引き起こす可能性があることを示す証拠がある、としています。

カナダ保健省

 カフェインを摂り過ぎると、不眠症、頭痛、イライラ感、脱水症、緊張感を引き起こすため、特に子供や妊婦、授乳中の女性に対して注意喚起を行っています。

 健康な成人では、一日最大 400 mg以内の摂取であれば影響はないとしています。

 また、子供の行動に及ぼすカフェインのリスクは高く、妊娠適齢女性の生殖に及ぼすリスクも高いことから、カフェインの悪影響が出ない一日当たりの最大摂取量について、4歳~6歳の子供は一日最大 45 mg、7歳~9歳の子供は一日最大 62.5 mg、10歳~12歳の子供は一日最大 85 mg、妊婦や授乳中あるいは妊娠を予定している女性は一日最大 300 mgまでとしました。

オーストリア保健・食品安全局

妊婦及び授乳中の女性はカフェインの摂取を控えるよう注意喚起を行い、一日当たりの摂取量が 300 mgを超えないよう勧告しました。

韓国食品医薬品安全庁(KFDA)

カフェインの一日最大摂取量として、子供は体重 1 kg当たり 2.5 mg以下、大人は 400 mg、妊婦は 300 mgとしました。

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(Sankei West,東京都福祉保健局HPより)

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