アポロズファイア・バロック・オーケストラ

 音楽の古典的な神と太陽にちなんでアポロズファイアと名づけられたクリーブランド・バロック・オーケストラは、サンフランシスコで生まれの女流チェンバロ奏者、ジャネット・ソレルによって1992年に設立されました。バロック音楽に対する新鮮で活気のあるアプローチが国際的に高く評価されています。

 ジャネット・ソレルはグスタフ・レオンハルトにも師事し、1989年にバロック音楽コンクールで最優秀賞に輝いています。現在はアポロズファイアの指揮者としても活躍し、ヨーロッパ他各地でも演奏活動を行っています。


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 最初に演奏会の録画で、ブランデンブルク協奏曲第3番ト長調(BWV1048)をお聴きください。随所でテンポを遅くしたり、アクセントとダイナミックを強調したスタイルは好みが別れますが、トン・コープマンを彷彿させる新鮮さを感じます。



 以下のYoutubeでブランデンブルク協奏曲が全曲聴けますが、レコーディングではもう少しオーソドックスな演奏をしています。



 今年1月にはコーヒー・カンタータ(BWV211)を上演しました。演奏前にジャネット・ソレル自身が解説と寸劇を演じています。大変面白い演奏なのでぜひお聴きください。歌手はマデリーン・アップル・ヒーリー(S)、コー​​リー・ショットウェル(T)、ジェフリー・シュトラウス(BT)で、すべてアメリカの歌手を起用しています。

 なお、この演奏では英訳の歌詞で歌っています。






おしゃべりはやめて、お静かに(BWV 211)

1.レチタティーヴォ (テノール)

お静かに、おしゃべりなさらずに。お聞き下さい、何が始まるのか。

やってきましたのはシュレンドリアン(旧弊 居士)氏と娘のリースヒェン、父親は、まるで熊のようにうなっています。何があったのか、どうぞお聞き下さい


2.アリア(バス)

まったく子どもというものは、厄介千万なもの。毎日、私が、何を 娘のリースヒェンに言って聞かせても、何の実も結びはしない。


3.レチタティーヴォ (バス、ソプラノ)

(父) 悪い子、しょうのない娘、ああ、いつになったら言うことを聞くのか、コーヒーをやめなさい。

(娘) お父さん、そんなにカリカリしないで、一日に三度、小さなカップでコーヒーを飲まなかったら、 私は苦しさのあまり、干からびた山羊の肉のようになってしまうわ。


4. アリア(ソプラノ)

アイ、何とコーヒーの美味しいこと、千のキスよりうれしく、マスカットワインよりまろやか。

コーヒー、コーヒーはやめられない、私の機嫌を取りたい人は、そう、コーヒーをプレゼントして。


5. レチタティーヴォ (バス、ソプラノ)

(父) もしお前がコーヒーをやめないなら、結婚パーティーにも行かせないし、外の散歩も許さないぞ。

(娘) 結構よ、コーヒーさえあれば。

(父) まったく、この子猿娘め、それなら流行の鯨骨でふくらませたスカートも買ってやらないぞ。

(娘) はい、はい、よく分かりました。

(父) 窓辺に立って、道行く人を眺めるのもだめだ。

(娘) どうぞお好きなように。ただ、コーヒーだけは残してね。

(父) 私の手から、 金や銀のリボンを、お前の帽子の飾りに 買ってもらえるなどと思うなよ。

(娘) ええ、ええ、私の楽しみさえあれば。

(父) 何としょうのないリースヒェン、全部我慢すると言うのだな。


6.アリア(バス)

娘、強情な娘、これに勝つのは難しい。しかし、つぼをおさえれば、そうだ、うまく行くかも知れないぞ。


7. レチタティーヴォ (バス、ソプラノ)

(父) さあ、父親の言うことを聞きなさい。

(娘) はい何でも。コーヒーのこと以外ならね。

(父) よろしい、それなら、夫が手に入らなくてもかまわないのだね。

(娘) 何ですって。夫ですって。

(父) 私は誓う、絶対にだめだ。

(娘) 私がコーヒーをやめない限り? それなら決まり、コーヒーはおしまい。お父さん、聞いて、決して飲まないわ。

(父) それでこそ、良い人が手に入るというもの。


8. アリア(ソプラノ)

今日にも、すぐ、大好きなお父さん、見つけて来て。ああ、良い人を。本当に私にぴったりの人を。すぐにでも、そうなりますように!

私がついにコーヒーのかわりに、今晩、ベッドに入る前にでも、すてきな恋人を手に入れられますように!


9. レチタティーヴォ (テノール)

そこで老シュレンドリアン氏は出かけて、娘のリースヒェンのために、すぐにも夫を見つけてやろうと探しました。

ところがリースヒェン、ひそかに言いふらすにはどんな求婚者も、事前に約束して、好きな時にいつでもコーヒーを入れることを認めると、結婚誓約書に書かない限り、私の家にはいれません、とね。


10. 合唱(三重唱、ソプラノ、テノール、バス)

猫は、ねずみがやめられない、

娘たちは、いつでもコーヒー党、

母さんもコーヒー大好きで、

おばあちゃんも、やっぱり飲んでいた。

それなら、だれが娘を叱れよう。

                  訳詞:川端純四郎

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