安全に摂取できるカフェインの量

 カフェインは、コーヒー豆、茶葉、カカオ豆、ガラナなどの成分で、それらを原料とするさまざまな飲料や食品に含まれています。また、抽出されたカフェインが、食品添加物としてコーラなどに使用されています。

 カフェインは、中枢神経系を興奮させて眠気をはらい、集中力を高めるといった効果をもたらします。一方で、摂取しすぎると、頭痛、心拍数の増加、不安、不眠、嘔吐、下痢などを引き起こします。妊婦の場合には、流産のリスクが高まったり、胎児の発育が阻害されたりする可能性があります。


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 カフェインを繰り返し摂取していると、体が反応しにくくなり(カフェイン耐性)、より多くのカフェインを求めるようになります(カフェイン依存症)。そうなった時点でカフェインの摂取をやめると、頭痛、眠気 神経過敏、便秘、うつ、悪心・嘔吐、不安、集中力の低下といった離脱症状が現れます。


安全量は、体格によって異なる

 悪影響を心配することなく、日常的に安全に摂取できるカフェインの量はどのくらいなのでしょうか。厚生労働省と食品安全委員会によると、日本では、カフェインの食品添加物としての使用量や、1日当たりの摂取許容量の基準はありません。現在、食品安全委員会などが、カフェインの健康被害に関する情報を収集している段階です。一方、海外のいくつかの国は、成人が摂取しても体に影響がないと見られる1日当たりの最大摂取量を設定しています。

 下の表は、欧州食品安全機構(EFSA)が2015年5月27日に発表した、カフェインの安全性に関する科学的意見書に記載されている、健康な成人が摂取しても安全と考えられるカフェインの量を示しています。体重によってかなりの幅があることが分かります。


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 次の表で、日常的に摂取している、または摂取する機会がある製品のカフェイン含有量を確認してください。


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 表を参考にすると、体重が40kg程度の痩せた女性では、缶コーヒー1本、またはエナジードリンク1本でも、安全な1回量を超えてしまうことが分かります。鎮痛薬などの市販薬を買うときは、ノンカフェインの商品を選んだほうが良いかも知れません。また、薬局で購入できる眠気予防薬は、カフェイン含有量が群を抜いて高いので注意が必要です。

 カフェインの半減期は4~6時間です。安全な1回量以下でも、短時間のうちに繰り返し摂取すると、体内にあるカフェインが代謝・排泄される前に新たに取り込まれることになるので、血中濃度が上昇するので注意が必要です。


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カフェイン感受性が高い人は“安全量”でも不眠や頭痛が出現

 さらに注意することは個人差です。表はあくまで参照値で、同じ体格なら安全なカフェイン量も同じとは限りません。なぜなら、カフェイン感受性は人ごとに異なるからです。もし、表に記載されているより少ない量を摂取した後に不快な症状を感じたら、カフェイン感受性が高いと言えます。健康な成人には有益な量のカフェインでも、感受性の高い人には不眠や頭痛などの害をもたらします(カフェイン不耐症)。

 カフェイン感受性に影響を与える要因としては、年齢、病歴、医薬品の使用、心身の健康状態などが知られており、子どもはカフェインに対する感受性が高く、女性より男性の方が感受性が高い可能性も示されています。さらに近年、いくつかの遺伝子がカフェイン感受性レベルに関係していることが明らかになりました。

 たとえば、日本人においては、4人に1人が、カフェイン150mgを摂取した後に、不安感が高まる等の害が現れる可能性が高い遺伝子を持っていることが示唆されています。

 また、米国人12万人を対象に、カフェインを摂取したときの反応と摂取量に関係する遺伝子を探した研究では、カフェインの代謝にかかわる遺伝子など、計6個の関与が明らかになりました。


非常にまれにカフェインアレルギーも起こる

 最後に、極めてまれですが、カフェインに対するアレルギーの患者が日本で報告されています。カフェイン接種後にアナフィラキシーを経験したそうです。アレルギーになったら、ごく微量の摂取でも症状が起こる危険性があります。

 すでに日常生活に無くてはならないものになっているカフェインですが、安全とされている量が意外に少ないことに驚きます。取りすぎは健康被害をもたらすことを忘れずに、その利益を上手に引き出すことが大切です。

(日経Goodayより)
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