自覚がないから怖い! 「肝機能」低下の防ぎ方

肝臓はエネルギーの貯蔵と供給、解毒を日々行う臓器

 肝臓は右側の肋骨のすぐ下にある、人間の体の中で最も大きい臓器です。多くの人はアルコールを代謝する臓器で、お酒を飲み過ぎると肝機能が悪化すると認識しています。しかし、肝臓の働きはアルコールの解毒や分解のみにとどまりません。

重さは1kgほどもある肝臓は、日々、コンスタントに以下のような仕事を続けています。

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エネルギーの合成と貯蔵

 血液中のグルコースをグリコーゲンとして蓄え、グリコーゲンを必要に応じてグルコースに再分解して、血液中の血糖として供給します。食べ物としてとったタンパク質や脂肪の代謝などにも働きます。

解毒

 アルコールや薬、老廃物など体内に入った有害な物質を分解・中和し、体に影響を及ぼさないように無毒化します。

胆汁を作る

 肝細胞で作られた胆汁は、胆のうにたくわえられて十二指腸に分泌されます。胆汁中の胆汁酸は脂肪の乳化に働きます。

 このように、肝臓は「化学工場」といわれるくらい多彩な働きを担っています。

 また、肝臓は「不要な女性ホルモンを処理する」という大切な働きもしています。女性ホルモンはコレステロールをもとに作られる油性の物質ですが、肝臓はこれを水性の物質に変えて尿として排出。女性ホルモンの中でも特に「エストロン」というホルモンは閉経後に増えますが、エストロンが代謝されずに乳腺や子宮に働きかけすぎると、乳がんや子宮がんを引き起こす要因になるといわれています。肝機能が低下しても、ホルモン処理がうまくいかなくなり、それらのリスクが高くなるともいわれています。

 肝硬変の男性も、肝臓における女性ホルモンの分解力が低下し、乳房が女性のように大きくなったり、ひげや陰毛が薄くなり、睾丸が萎縮する例も報告されています。


肝機能が「正常値」でも安心できない

 このように超高性能の化学工場ともいえる肝臓だからこそ、ダメージには早めに気づく必要があるのですが、通常、健診などで行われる肝機能に関する血液検査の項目では、数値が悪くなってからでないと注視されなません。

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 例えば、特定健診で保健指導の対象となる、 ALT(GPT)、AST(GOT):31IU/L以上、γ-GTP:51IU/L以上は注意しなければいけません。

 この3つの異常値とは、肝細胞がダメージを受けることによって肝細胞内の酵素が血液中に漏れ出していることを意味します。しかし、「数値が2桁だからまだ大丈夫でしょう。100を超えないように気をつけましょう」「脂肪肝気味だから、飲み過ぎや甘いものの食べ過ぎを控えて」といった指導しかなされていない場合もあるのが現状です。

 先に挙げた3つの数値のどれか一つでも3桁になったときには肝機能が相当悪くなっていると考えられます。全身の倦怠感や黄疸といった自覚症状が出るのは、肝臓が「病気」という段階になったときです。肝機能が調子を崩してしまってから元に戻していくのは現代の医療ではかなり大変なことです。


「納豆キナーゼ」「魚油」で毛細血管の循環を高める

 肝臓も、眼球と同じように毛細血管が張り巡らされている臓器です。毛細血管の血流がスムーズに流れる状態を維持することが、これらの臓器の機能を高めるための最重要課題となります。


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 毛細血管の働きを高めるのが、納豆から抽出される酵素「ナットウキナーゼ」です。血栓を予防し、血管内を詰まらせる原因となるプラークを溶かす働きがあります。摂取上限量(ナットウキナーゼ協会が定めた推奨値)である1日当たり2000FUを目安に摂取しましょう。

 もう一つ青魚に多く含まれる脂質成分であるEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)です。EPAとDHAは、いま話題の「n-3系脂肪酸」ですが、現代人が多くとっている脂質であるサラダ油はリノール酸が豊富ですが、この脂質をとりすぎると血を固まらせる血小板を凝集させる作用が強くなり、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こしやすくなります。

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 一方、n-3系脂肪酸にはリノール酸とは逆に血栓を防止する作用があり、特にEPAには血液中の中性脂肪を減らし、善玉コレステロールと呼ばれるHDLを増加させ、動脈硬化を防ぐ働きがあることが分かっています。

 そのほかにDHAは、脳や目の網膜、神経系に分布し、脳細胞を構成したり、神経同士のネットワークを形成する働きを高めるため、脳のアンチエイジングにも効果が期待される成分です。EPAとDHAはそれぞれ働きが異なるので合わせてとること必要です。


食生活やライフスタイルが現れる血管の状態

 「人は血管とともに老いる」といわれるように、肝臓の機能を保つのに重要な役割を果たす毛細血管は、加齢とともに酸化が進みます。血管壁が酸化すればプラークなどが付着しやすくなり、血流が滞りやすくなります。しかし、同じ50代、60代でも食生活やライフスタイルに気をつけている人とそうでない人の血管の状態は相当大きな開きがあります。

 体内で酸化を加速させるのが「糖質過多」で、糖質のとりすぎは、肝臓の働きも妨げます。まず、甘い飲み物や何気なく口にしている間食をセーブすることからはじめ、細胞やホルモンなど体に大切なものを作る材料となるタンパク質をしっかりとります。食生活というベースを整えた上で、自分が必要とするEPAやDHAをサプリメントで摂ることも考えてみましょう。

(Nikkei Goodayより)
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