既存の光ファイバーで、従来の10倍「1Tbps伝送」実現!

 インターネットやスマートフォンの普及に伴った通信量の爆発的な増大や、使用した通信量に応じた課金を不要とする OTT(Over The Top:SNS や動画配信サービスなど)が多様なサービスを提供し、通信量と課金が連動しなくなりつつあります。今後は、データ通信の大容量化とともに高いコストパフォーマンスが問われるため、敷設済みの光ファイバー網を活用した容量拡大技術が重要となります。 三菱電機は敷設済みの光ファイバ網を使って、データ伝送速度1Tbps(1秒間でDVD約27枚分のデータ転送)を実現する技術を開発したことを発表しました。

 英国ユニバーシティカレッジロンドン(UCL)の設備を用いた実験で、データ伝送速度1Tbpsに成功。世界最高となる周波数利用効率9.2bit/s/Hzを実証したといいます。光ファイバにおいて従来は、1組の送受信器での伝送速度は、100Gbpsが限界でしたが、その10倍の速度を実現したといいます。



 光通信では、「キャリア」と呼ばれる光の波に信号を乗せてデータを送信します。これまで、単一キャリアを利用して1組の送受信機で100Gbpsの伝送速度を実現していましたが、光ファイバー内で劣化しにくい光の周波数は限られており、単一キャリアでの伝送速度向上には限界がありました。今回、11本という複数のキャリア(サブキャリア)を使用することで、伝送速度を1Tbpsまで引き上げました。

 ただし、11本のサブキャリアを同時に受信するには、従来11組の送受信機が必要でした。今回「光コム」と呼ばれる一定の細かい周波数間隔で複数の光の波を同時に生成する装置を利用することで、11本のサブキャリアを一本化。1組の送受信機で1Tbpsを実現しました。


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 また、サブキャリアを用いて同時にデータ通信を行う場合、それぞれのサブキャリアを受信する際にタイミングのズレが生じ、データが壊れてしまうことがあります。それを防止するために、受信タイミングを一括で補正できるパイロット信号を用いた補正方式を採用しました。

 すべてのサブキャリアに受信タイミングの目印となるパイロット信号を定期的に挿入し。受信側ではパイロット信号を基準としてサブキャリアをすべて正確に並べることで正確なデータの受信が可能となり、データの損傷を防いでいます。なお、従来方式では確率論に基づいて、タイミングのズレを推定して補正していました。
 この技術は、既設の光ファイバー網をそのまま活用でき、光送受信基地局などのインフラ設備を大幅に変更する必要が無いため、今後、低コストで大容量高速通信が可能な環境を整えられる見込みです。

(RBBToday、Impress、三菱電機株式会社 情報技術総合研究所PDFより)
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