フランスが進める「太陽光発電道路」、5年間で1000kmを建設予定

 2015年11月30日~12月13日までフランスのパリで開催されたCOP21(気候変動枠組条約第21回締約国会議)では新たな枠組みとなる「パリ協定」が採択されるなど、地球環境問題に対し、国際的な取り組みを進めていく方針が確認されました。そのCOP21に出展し、大きな注目を集めたのが、2015年10月に発表された太陽光発電道路「Wattway」です。


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 「Wattway」は、フランスの道路建設会社であるColasが、太陽光発電に関するフランスの国立研究機関と5年間の共同開発により確立した、太陽光発電を行う道路です。多層基板内に埋め込まれた太陽電池セルで構成されており、これらのセルは多結晶シリコンの薄いフィルムによって発電します。パネルの下側には横方向のモジュールへの接続口が用意されています。パネルは世界中の道路で使うことが可能で、トラックを含むあらゆる自動車の走行に耐え得る仕様となっているといいます。


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 パネルモジュールそのものはわずか数ミリメートルの薄さで、非常に頑丈にできており、最適なスキッド抵抗性も確保しているため、道路工事の工程が必要なく、舗装道路上にそのまま装着できるようになっています。多層構造になっているため抵抗とタイヤのグリップを確保するための層の間に挿入された層に太陽光発電機能を持つ層を入れているためです。これらの実現のためには技術的なブレイクスルーがあり、2つの特許でこれらを保護しています。


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 Wattwayパネル20平方メートル分で1つの家庭の電力(暖房除く)をカバーすることが可能だとしています。また、1キロメートルの道路にWattwayパネルを敷き詰めると5000人規模の町の街路灯の電力を全てカバーできるといいます。


スマートシティ実現のカギを握る技術

 Colasでは、太陽光発電による電気を発電可能な道路は「つながる道路」となっており、交通情報などをリアルタイムに送受信できるような知的な道路を実現するための大きな技術になるとの展望を示しています。道路そのものにセンサーを内蔵し自動診断プログラムにより、道路の維持管理の手間を軽減することなどが想定できる他、ワイヤレス給電技術などを組み合わせることにより電気自動車の充電などを行えるようになります。

 今後カギになる市場としては、ICTにより最適に管理される町である「スマートシティ」のビルディングブロックなど、増え続けるエネルギー需要を再生可能エネルギーに置きかえる需要などがあります。また、オフグリッドエリアや、人口密度が低くエネルギーネットワークに組み込むにはコスト効率が悪いエリアに対する需要も期待できます。より手軽に地域分散型エネルギー基盤を構築することが可能となるためです。




5年間で1000kmを太陽光発電道路に

 フランス政府では、この太陽光発電道路の普及に力を入れる方針を示しています。フランスのエコロジー・持続可能開発・エネルギー担当大臣であるセゴレーヌ・ロワイヤル(Ségolène Royal)氏は、今後5年間で1000キロメートルの道路を太陽光発電道路にするとの考えを示したとされており、普及を後押ししています。

 「太陽電池を埋め込んだ道路」については既にオランダで実証実験が開始されるなど、さまざまな注目を集めています。日本でも採算性の高いメガソーラーの建設候補地が減りつつある中、総延長で127万3295キロメートルにも及ぶ道路の有効活用という考えは今後検討が進むかもしれません。

(ITmediaより)
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