大気汚染は年間550万人を殺す!

 2013年に大気汚染が原因による疾病で死亡した人の数は世界で550万人で、そのうち半数以上がインドと中国に集中していることが新たな研究報告で分かりました。

 カナダのブリティッシュコロンビア大学の研究によると、インドでの死亡者は約140万人で中国は約160万人でした。両国で全体の55%を占める計算になります。

 同大学の研究者が世界中の死亡・疾病に関するリスク要因を調べた結果、屋内外の大気汚染が大きな死亡原因のひとつだといいます。


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 ブリティッシュコロンビア大学とワシントン大学・保健指標評価研究所による共同リサーチで、188か国からデータを集め1990年から2013年の間の健康リスク要素と大気汚染レベルを比較したそうです。多くの国では過去20年間に大気汚染は減少してきたのですが、グローバルなレベルでは、危険な排出量は増加しています。また中国や南アジアにおける人口の増加と急速な都市化も合わさり、なんと世界の全人口の85%が、WHOの定めるガイドラインを超える粒子状物質レベルの中で生活をしているとのことです。

 こちらの動画ではブリティッシュコロンビア大学で人口・公衆衛生学を教えるマイケル・ブラウアー教授が、大気汚染が原因の死亡について語っています。



 インドの場合、大気汚染の主な原因は調理や暖房目的で薪や牛の糞を燃やすことです。電気がなく、汚染物質の排出が少ない燃料を入手することができないインドの地方や都市部の貧困層では一般的な方法です。

 家庭での薪を使った調理は「世界の発展途上国の田舎で一番の問題だ」と、マイケル・ブラウアー教授はいいます。

 ここ数カ月間、インドの首都ニューデリーで観測された微小粒子状物質「PM2.5」の量は国連の世界保健機関(WHO)が安全とする水準をしばしば超えています。


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 インドと中国の大気汚染について調べた研究者たちは米国の首都ワシントンDCで2月12日に開催された会議で、大気汚染を抑えるためのより積極的な目標が設定されない限り、大気汚染に関連した早死にが今後20年間に増加すると指摘しました。

 中国を手本にインド当局は1月、ニューデリーで2週間、自動車の通行制限を導入する実験を行いました。デリー首都圏(州に相当)のケジリワル首相は、同様の制限を4月15日から15日間、再び導入することを明らかにしました。

 ただ、自動車の排気ガスはニューデリーの大気汚染の20%~40%を占めるに過ぎないと科学者は指摘します。その他の要因、例えば糞やゴミ、葉を燃やすことや、補助発電機にディーゼル燃料を使用することなども、レンガ焼きの釜といった小規模工場からの排気ガスと同様に問題だといいます。ニューデリーでは停電が頻発するため、補助発電機が利用されています。

 ニューデリーの連邦環境裁判所は4日、大気汚染を改善するため、ヒンズー教徒が多数派を占めるインドで広く行われている、薪を使った伝統的な火葬を減らす措置を講じるよう政府関係機関や地方当局に求めました。

 また中国では石炭の燃焼が屋外の大気汚染の最大の要因であることが研究で分かりました。2013年にはこれが原因で推定36万6000人が死亡しました。石炭の燃焼について対策が講じられない場合、中国では2030年までに130万人が早死にすると科学者は試算しています。

 ブラウアー教授は「大気汚染に関する一つの特徴は、これから逃げることも隠れることもできないということだ。大気の質が改善されれば、すべての人が恩恵を受けることは分かっている。よって、健康の観点から見て、大気汚染の水準を下げることは実際、全人口の健康を向上させる上で、驚くほど効果的な方法だ」と述べました。

(University of British Columbia―Wall Street Journa、Gizmodoより)
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