“食べる順番”でダイエット、会席料理は理にかなった先人の工夫

 確実に体重を落としたいのなら、運動だけでは難しいというのが、今のダイエットの常識です。肥満の原因は、食後の血糖値の過剰な上昇が中性脂肪の蓄積を招くことも広く知られるようになりました。

 そこで現在流行しているのが、糖質制限などの血糖値のコントロール。しかし食べたいものを我慢するのはつらく、極端な食事制限をしてダイエットに成功したとしても、ストレスを溜めてリバウンドしては元も子もありません。そこで、いつものメニューでも、食べる順番で痩せるというダイエット法も注目されています。

 野菜を米飯より先に食べると、食物繊維の働きによって、小腸で糖の吸収が穏やかになり、血糖値の急上昇が抑えられることは知られていました。この科学的根拠が昨年12月、欧州糖尿病学会機関誌『Diabetologia』(電子版)に学術論文として掲載されました。


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「ご飯が最後」が糖の吸収を穏やかにする

 この研究発表をしたのは、関西電力医学研究所のグループ。食事の「食べる順番」を調整して、米飯の前に肉や魚を摂ると、胃の運動が緩やかになり、食後の血糖値の急上昇を改善できることがわかったといいます。つまり、同じメニューであっても、食べる順番を意識することで、糖尿病や心血管疾患の予防などにつながる可能性が示されたのです。

 研究グループは2型糖尿病の患者12人と健康な10人を被験者として、米飯を先に食べた場合と、魚(サバの水煮)か肉(牛肉の網焼き)を米飯の15分前に食べた場合について、それぞれ食後4時間までの血糖値の変動を調べました。

 すると糖尿病患者も健康な人も、血糖値の上昇率は「米飯を先」に食べた場合比べて、「魚を先」に食べた場合が約3割、「肉を先」に食べた場合が約4割低くなり、血糖値の変動が緩やかになりました。

 さらに、肉・魚どちらの場合も「インクレチン」という消化に関わるホルモンが、食後30分で通常の約2倍分泌していました。この影響を受けて胃の動きが緩やかになったため、米飯が消化されて小腸で吸収されるまでの時間が約3倍にも長くなっていたといいます。

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 今回の研究で、「最初に野菜、次に肉や魚、最後に米飯という順番にすれば、より効果的に血糖値を抑えられることがわかった」と、矢部大介副所長(糖尿病学)は述べています。近年、提唱されてきた「食べる順番ダイエット」に、より医学的な裏付けができたと考えられます。


会席料理の順番が理想的

 「食べる順番ダイエット」は、和食の代表である会席料理にも通じているといいます。研究グループによると「食物繊維の豊富な先付け(前菜)に始まり、タンパク質や脂質の供給源として 向付(刺身)、 鉢物(焼き物)などがふるまわれ、最後に米飯や果物が供される会席は、食後血糖の上昇を抑制するための古来の創意工夫」だという。和食のヘルシーさの根拠がまたひとつ示されたといえるかもしれなません。

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 では体重を落としたい人は食事をどう食べるといいのか? 定食では、先に汁物を飲んで空腹を落ち着かせてから、野菜・きのこ・海藻などの副菜に箸を付け、肉や魚の主菜をいただき、最後に米飯や麺という順序で食べるのが効果的。

 丼物でも汁物やサラダを食べてから、丼の具に半分ほど手を付け、最後に残りの具でご飯をいただくことで、「食べる順番ダイエット」を実践できます。

 そして大切なのは、食事途中で満腹感が得られるように、よく噛んでゆっくり時間をかけて食べること。最後に回したご飯が食べきれなくなったら、さっと食事を切り上げてしまいましょう。それにより無理なく“食べすぎ”も回避できるはずです。

(HealthPressより)
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