主はわが信頼すべき牧人なり(BWV112)

 復活祭後第2主日に聴くカンタータは1725. 4.15、ライプツィヒで初演されましたが、この時期はBACHが、カンタータの創作を大幅にベースダウンし、演奏時間も12分程度と短くなっています。理由は定かではありませんが、教会暦のためのカンタータをすでに一通り手持ちしていたためと思われます。


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 テキストに用いられたヴォルフガング・モイスリンのコラールは、詩篇第23篇をコラール形式に当てはめたもので、BACHはその5節を歌詞にとり、そのままアリアやレチタティーヴォとして作曲しています。牧歌的イメージの作品です。


 今回もトン・コープマン指揮、アムステルダム・バロック・オーケストラ&合唱団、サンドリーヌ・ピオー(S)、ボグナ・バルトシュ(A)、クリストフ・プレガルディエン(T)、クラウス・メルテンス(B)の演奏でお聴きください。




主はわが信頼すべき牧人なり(BWV112)

1 .コラール合唱

Der Herr ist mein getreuer Hirt,

主は私のまことある羊飼い、

Hält mich in seiner Hute,

私を自分の牧場に養ってくださる。

Darin mir gar nichts mangeln wird

そこにはーつとして欠けたものがないだろう、

Irgend an einem Gute,

どんな宝でさえ。

Er weidet mich ohn Unterlass,

主は私を休みなく牧してくださる、

Darauf wächst das wohlschmeckend Gras

そこには味の良い草が生えている、

Seines heilsamen Wortes.

癒しの御言葉を種として。

2 .アリア(アルト)

Zum reinen Wasser er mich weist,

清らかな水場へと主は導いてくださる。

Das mich erquicken tue.

その水が、私を生き返らせてくれる。

Das ist sein fronheiliger Geist,

これこそ主の聖なる御霊。

Der macht mich wohlgemute.

御霊は私を快い気持ちにしてくれる。

Er führet mich auf rechter Straß

主は私を率いてゆく、正しい道、

Seiner Geboten ohn Ablass

律法の道を、休みなく、

Von wegen seines Namens willen.

御名の讃美を求めて。

3 .レチタティーヴォ(バス)

Und ob ich wandelt im finstern Tal,

たとえ暗い谷をさまよおうとも

Fürcht ich kein Ungelücke

私は災いを恐れない、

In Verfolgung, Leiden, Trübsal

迫害、苦難、辛苦、

Und dieser Welte Tücke,

この世のたくらみの中にあって。

Denn du bist bei mir stetiglich,

なぜなら、あなたがいつも傍らにいてくださり、

Dein Stab und Stecken trösten mich,

あなたの杖が、私を慰めてくれるのだから。

Auf dein Wort ich mich lasse.

御言葉に、この身を委ねよう。

4 .アリア(二重唱。ソプラノとテノール)

Du bereitest für mir einen Tisch

あなたは私の前に食事の席を用意してくださいます、

Vor mein' Feinden allenthalben,

ひしめく敵どもの前で。

Machst mein Herze unverzagt und frisch,

あなたは心の怯えを除いて精彩あらしめ、

Mein Haupt tust du mir salben

頭へと注いでくださいます、

Mit deinem Geist, der Freuden Öl,

あなたの霊、喜びの油を。

Und schenkest voll ein meiner Seel

そして魂にはたっぶりと

Deiner geistlichen Freuden.

御霊の喜びを注ぎ込んでくださるのです。

5 .コラール

Gutes und die Barmherzigkeit

良きものと憐れみが

Folgen mir nach im Leben,

私に生涯、ついてきてくれる。

Und ich werd bleiben allezeit

だから私は末長くとどまるだろう、

Im Haus des Herren eben,

ほかならぬ主の家に。

Auf Erd in christlicher Gemein

地上ではキリストの共同体に住み、

Und nach dem Tod da werd ich sein

死して後は在るだろう、

Bei Christo meinem Herren.

私の主、キリストのもとに。

訳詞:磯山 雅


ヨハネによる福音書 10章 11 〜 16
 「わたしは良い羊飼いである。良い羊飼いは羊のために命を捨てる。羊飼いでなく、自分の羊を持たない雇い人は、狼が来るのを見ると、羊を置き去りにして逃げる。―狼は羊を奪い、また追い散らす。―彼は雇い人で、羊のことを心にかけていないからである。 わたしは良い羊飼いである。わたしは自分の羊を知っており、羊もわたしを知っている。それは、父がわたしを知っておられ、わたしが父を知っているのと同じである。わたしは羊のために命を捨てる。わたしには、この囲いに入っていないほかの羊もいる。その羊をも導かなければならない。その羊もわたしの声を聞き分ける。こうして、羊は一人の羊飼いに導かれ、一つの群れになる。

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