幻想曲とフーガ(大フーガ)ト短調(BWV542)

 BACHがケーテン宮廷楽長をしていた1720年、ハンブルクの聖ヤコビ教会オルガニストのポストが空席となり、BACHがその職に応募してハンブルクに赴き、オルガンの老大家ヨハン・アダム・ラインケンの前で演奏した作品とされています。
 幻想曲はヴァイマル時代には既に作曲され、フーガは1720年にハンブルクで作曲されたと考えられています。フーガのテーマは当時よく知られたオランダの民謡からとられました。大胆な独創性は、BACHの作品中でも特にユニークなもので、即興性に富み、不協和音を含む激烈な表現、画期的な和声の性格、斬新な転調の可能性などに時代の通念をはるかに超えたバッハの才能がはっきりと浮き彫りにされています。


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www.lifeshot.jpより


 この作品はミトロプーロスによる管弦楽編曲、リストによるピアノ用の編曲でも親しまれ、フーガの部分を独立させたストコフスキーの編曲でも知られています。またオルガン曲「小フーガ ト短調 BWV578」と同じ調性を持つため、両者を区別して「大フーガ」と呼ぶようになりました。


 最初のジョン・スコットはアメリカ聖トーマス教会のオルガニストで、指揮者でしたが、昨年59歳で亡くなりました。演奏の様子がよく分かる動画です。



 ジャン・ウィレム・ヤンセンはトン・コープマンにも師事したオランダのオルガニストです。フィリップ・ヘレヴェッヘのコレギウム・ヴォカーレ・ゲントやラ・シャペル・ロワイヤルのオルガニストとしても活躍しています。



 ミクローシ・シュパーニは1962年ハンガリー生まれの鍵盤奏者です。1987年のパリ国際チェンバロコンクールで一等賞を獲得ししています。



 最後は、大御所トン・コープマンの演奏です。




 パイプオルガンは一般の管楽器になど比べて強弱や音色の変化を微細に行うことはできないので、テンポやアゴーギクによって演奏者の違いが出ます。

 この中で一番気に入ったのはジャン・ウィレム・ヤンセンです。幻想曲ではストップレバーを効果的に使い演奏効果を上げています。

 ジョン・スコットやクローシ・シュパーニも優れた演奏をしていますが、幻想曲は少し単調です。

 トン・コープマンは流石に盛り上げ方が上手い演奏です。しかしいつも思うのですが、少しせわしない腰の軽さを感じます。


 この作品はリストによるピアノ用の編曲でもよく演奏されるのですが、珍しいペダル・チェンバロの演奏もリンクしておきます。


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 演奏はアメリカの往年のオルガニスト、エドワード・ジョージ・パワー・ビッグスで、1966年の演奏なので、音質も悪く演奏もあまり評価できませんが、参考までにお聴きください。


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