中高年の男性は豆類を食べよう!

前立腺がんも予防する食物繊維

 「国立がん研究センター がん予防・検診研究センター」の予防研究グループは、生活習慣病を予防するための調査「コホート研究」を行っています。コホート研究とは、年代や環境が同じ集団を対象に生活習慣や環境と疫病の関係を長期間かけて調査し分析する手法のことです。

 このコホート研究のひとつに、日本人における「食物繊維摂取と前立腺がんとの関連」の研究報告があります。腸内環境を整えることでおなじみの食物繊維は、前立腺がんのリスクを下げることが分かりました。


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食物繊維が進行性前立腺がんのリスクを下げた!

 予防研究グループは、2002年から2012年にかけて全国10保健所の管内に住む45~74歳の男性約4万3000人を対象に、対象者が食事から摂取した食物繊維量と前立腺がんの罹患率の関連性を調査しました。

 その結果、食物繊維の摂取に前立腺がんのリスクを下げる効果のあることが分かりました。このことは欧米での研究でも報告されていたのですが、今回の調査で欧米人と食生活の異なる日本人でも効果のあることが証明されたのです。

前立腺がんには、がんが前立腺に留まる「限局がん」と前立腺の外にがんの広がる「進行がん」があり、コホート研究では食物繊維の摂取により、自覚症状で発見された進行前立腺がんのリスクが低くなっていることが分かりました。

 また、特に不溶性食物繊維が前立腺がんのリスクを下げていることも確認されました。食物繊維は大腸がんのリスクとの関連性が知られていますが、前立腺がんに作用する成分でもあることが分かったのです。

 前立腺がんは日本人に急増しているがんのひとつです。今回の調査で確認された食物繊維の効用を活用し、多くの男性が前立腺がんから身を守ることができるかもしれません。


食物繊維が前立腺がんのリスクを下げる理由とは

 食物繊維は消化されずに腸を通過し、便と一緒に排出されていくいわば「食物のカス」のようなものです。腸内を掃除したり、善玉菌の栄養になって腸内環境を整えたりと整腸に効果のあることで知られます。その食物繊維が前立腺の病気にも作用しているのは、


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 といった効用を持っているから、と考えられています。がんのリスクを下げるだけでなく、すでに起こっている炎症を抑制する作用があるといいます。


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中高年の男性は豆類から食物繊維を摂取しましょう!

 中高年の男性は前立腺がん予防のためにも、成人男性が1日に推奨される19g以上の食物繊維を摂取しましょう。

 今回の調査で注目された不溶性食物繊維は豆類に多く含まれています。豆類を多めに食べるようにしましょう。ただし水溶性食物繊維にもがんのリスクを下げる効果があるので、2種類の食物繊維を不足なく摂取するようにします。

 不溶性食物繊維と水溶性食物繊維は2:1の比率で摂取するのが理想なので、成人男性は1日に不溶性食物繊維13g以上、水溶性食物繊維7g以上を目安にとるのがおすすめです。


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 成人男性の平均的な摂取量は、不溶性食物繊維約11g、水溶性食物繊維が約3gの合計14g程度となっており全体的に不足の傾向が見られるので、意識して食物繊維を摂取するようにします。


予防と定期健診で前立腺がんから身を守る

 前立腺がんは進行が遅く、ほかのがんに比べると生存率の高いがんです。比較的「たちの良い」ともいえます。しかし加齢に伴う前立腺肥大症と間違えられて発見が遅れることも多く、進行して転移の起こったがんは治療も難しくなってしまいます。

 50歳以降で発症率が急上昇するがんです。中高年の男性は予防と定期検診をしっかり行い、前立腺がんから身を守りましょう。食物繊維は、生活習慣病の予防にも効果がありと摂取して損することのない成分です。

(健康+生活より)
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