心臓もウコンでアンチエイジング!

 ウコンがアルコールの分解を速めることは医学的に確認されており、悪酔いや二日酔いを防ぐ効果は広く知られるようになりました。その有効成分はクルクミンという黄色の色素成分で、カレーが黄色いのも、ウコンにクルクミンが入っているためです。その効果は肝機能改善だけではありません。驚くべき効果が次々と明らかになり、アンチエイジング医学界で注目を集めています。

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 まず、がんに対する効果で、すい臓がんが改善したなど、多くの報告があります。京都医療センターの研究によって、変形性膝関節症に対する効果も報告されました。患者に1日180mgの高吸収型クルクミン(セラクルミン)の投与を8週間続けた結果、痛みの強さを示すVASスコアが低下したといいます。

 脳に対する効果も研究が進んでいます。クルクミンは脳内のセロトニンを増やす抗うつ作用があり、また、アルツハイマー病は脳にアミロイドβ(ベータ)というたんぱく質がたまることで起こりますが、クルクミンはこのアミロイドβがたまりにくくします。実際、毎日ウコンを使ったスパイス料理を食べるインドでは、アルツハイマー病の発症率が米国の4分の1しかありません。



 ウコンには鉄が多く含まれているので大量にとると害がありますが、クルクミン自体は安全性が高く、少々とりすぎても危険はないとされています。

 なぜクルクミンがこれほど幅広い分野で効果を発揮するのでしょうか。最大の理由は強い抗炎症作用です。がんやアルツハイマー病をはじめ、多くの病気が炎症から引き起こされますが、クルクミンはNF-kBという生理活性物質の働きを抑えることで体内の炎症反応を抑えます。

 最近は心臓に対する作用も研究され、クルクミンによって、心不全が改善される可能性が高いといいます。


心不全の進行を抑える効果は薬と同じ!?

 心臓病で亡くなる人は想像以上に多く、厚生労働省の平成26年「人口動態統計」によると、心臓病はがんに続いて日本人の死因第2位で、年間20万人近い人が亡くなっており、2014年に亡くなった人のうち、実に15.5%を占めます。


心臓病で亡くなる人は年間20万人近くいる


 そのベースにあるのが心不全です。心不全というと「心臓が止まること」(心停止)と誤解されることも多いのですが、そうではありません。また、そういう名前の病気があるわけでもありません。心不全とは心臓のポンプ機能が低下し、全身に血液をうまく送り出せなくなった状態です。

 心不全には、心筋梗塞などで起こる急性心不全と、心臓弁膜症や心筋症などで起こる慢性心不全があります。慢性の場合はすぐに死ぬことはありませんが、むくみや息切れが起こるようになり、日常生活に支障をきたします。高齢者が心不全を起こすと、そのまま寝たきりになってしまうことも少なくありません。

 心不全の原因のひとつが、心筋(心臓の筋肉)が厚くなる心肥大です。心筋細胞の核の中にP300というたんぱく質があり、これが活性化することで心肥大が進みます。メカニズムははっきりと分かっていませんが、クルクミンにはこのP300の活性化を抑える働きがあるといいます。

 高血圧のラットと心筋梗塞のラットにクルクミンを飲ませ、心不全の進行を抑える効果を調べると、血圧を下げて心不全を予防する医薬品(エナラプリルマレイン酸塩)に匹敵したといいます。


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カレーは辛いほうがいい?

 心肥大の患者を対象にした臨床試験も行われました。患者を2グループに分け、一方に1日60mgのセラクルミン、もう一方にプラセボ(偽薬)を半年間投与した結果、セラクルミンのグループは心臓の固さを示す指標が明らかに改善しました。つまり心臓の筋肉が柔らかくなり、ポンプ機能が改善することで、心不全が改善する可能性があります。

 心臓を柔らかくして肥大を抑えるということは、“心臓のアンチエイジング”ともいえます。クルクミンの効果が、またひとつ発見されたわけです。

 食事からクルクミンを摂ろうと思ったら、カレーライスが最適です。クルクミンは吸収されにくいのが欠点ですが、カレーのようにスパイシーなものを食べると血流が良くなって、腸から吸収されやすくなり、なるべく辛いカレーを食べたほうがいいといいます。

 体内の炎症を抑え、がんや心不全といった命にかかわる病気を予防してくれる可能性を秘めたクルクミン。辛いカレーやサプリメントで、積極的にクルクミンを補給しましょう。

(日経Trendyより)
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