デジタル機器の利用時間は染色体にまで影響する!?

 コンピューターに関する技術革新には目を見張るものがあります。いまや机の上のパソコンどころか、スマホやタブレットなど、モバイル機器が仕事、教育、趣味、買い物やコミュニケーションなど、日常生活に欠かせないものになっています。

 インターネット利用動向の調査を行う米ニールセン社のデータによると、18歳以上の米国人は1日平均11時間は電子メディア、デジタル機器を使用しています。睡眠時間が8時間の人だと、1日の活動時間帯は16時間で、使用時間の長さに驚きます。しかしスマホ、インターネット、テレビ、ラジオ、DVD、ゲームなどで過ごした時間を合計すると、納得できる使用時間かも知れません。


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 私たちの生活は、デジタル機器によって便利になる一方で、ライフスタイルそのものが大きく変わり、病気の流行にも影響が出ているといいます。テクノロジー時代の不健康リスクと、その問題を回避して生き抜く方法を身につけることも大切です。


PC、タブレット、スマホユーザーの90%がコンピューター視覚症候群

 視力の低下や視界がぼやける、目に痛み、光に敏感、頭痛、背中や首の痛みなどはコンピューター視覚症候群(CVS)に認められる症状です。

 米国クリーブランド・クリニックの情報によると、PC、タブレットやスマホなど電子機器利用者の90%の人が、CVSの経験があり、同クリニックの眼科医、リシ・シン医師は、症状の緩和や予防のために、以下のことをするよう助言しています。

1.スクリーンの角度を調整する

 PC視覚症候群の改善の鍵は、スクリーンを見る角度が原因です。スクリーンの中心は目から50~70cmの距離に、目の高さより10~13cm下に置きます。

2.まぶしさを減らす

 ディスプレーの文字は、印字された文字ほどはっきりしていません。あまりにコントラストが低すぎたり、ディスプレーの輝度が高すぎると、目を酷使することになり、その結果、まぶしさに敏感になってしまいます。頭上の照明や窓からの強い光を避けて、ディスプレーを設置します。また窓のブラインドを閉じたり、卓上ランプのワット数を下げます。もし本体で輝度を最小限にできないようであれば、モニター用フィルターを付ける方法もあります。

3.目を休ませる

 長時間PCなどの電子機器を使う場合、眼精疲労予防のために、定期的に休憩します。20分ごとに20秒間、PCから目を離して遠くを眺めます。これで集中力も高まります。また、2時間続けてPCを使ったら、15分間、目を休憩させましょう。

4.まばたきを増やす

 私たちは、通常、1分間に約18回、まばたきをしています。ところがPCを使用していると、まばたきの回数は4分の1になります。これがドライアイのリスクになります。もちろん、目薬を定期的にさすのも効果的です。

5.専門医の診察を受ける

 遠視、乱視、近視、老眼は、眼精疲労、肩こり、背中の痛みなどの筋骨格系の症状の原因になります。異常を感じたら、眼科にかかりましょう。 


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SNSとストレスの関係性

 インターネットや携帯を利用していて、メールやテキストメッセージの返事が気になって落ち着かないという経験はありませんか?

 インターネット、特にソーシャルメディアが出現してから、私たちのコミュニケーション方法はすっかり変化しました。専門家はこの変化による精神への影響を懸念しています。

 2012年、スウェーデンのヨーテボリ大学の研究者らは、PCやスマホの使用頻度が高い若者は、睡眠障害、ストレスやメンタルヘルスのリスクが高まると報告しています。

 研究者らは、20~24歳の4100人を対象にアンケート調査し、PCやスマホを多く利用すると、ストレス、睡眠障害及び抑うつ症状に影響することを明らかにしました。以下が結果です。


1.高頻度の携帯電話の使用

 男性で睡眠障害が増加し、男女とも、明らかにうつ症状が増加。

2.深夜のPCの利用

 女性においてストレス、睡眠障害、抑うつ症状。男性は睡眠障害のリスクが増加。

3.PCやスマホの両方の使用

 1,2関連の症状が増加。


 研究者らは、PCやスマホの使用時に休憩を入れたり、集中して使用したあとはゆっくり回復を待つこと、利用時間の制限が重要と述べています。


SNSも種類によってストレスが減ることもあれば増えることもある

 2015年1月、米国ピュー研究所の研究者らは、異なる意見を報告しました。研究者らは、1801人の成人米国人を対象に、インターネットやソーシャルメディア、携帯電話とストレスの関連について調査しました。ストレスレベルの自覚を評価するために、「自覚ストレス調査(PSS)」を用いました。その結果は、以下のようになりました。

1.女性はツイッター、メール、携帯の写真共有機能でストレス軽減?

 全体的に男性より女性のほうが、より多くのストレスを報告する傾向があります。ただしインターネットやソーシャルメディアを利用する女性は、利用しない女性よりストレスは低く、特に、ツイッター、メールや携帯の写真共有機能で、女性のストレスが軽減しています。

2.女性はフェイスブックの利用でストレスが高まる

 一方、女性はソーシャルメディア、特にフェイスブックで、知人の死や失業などを知る機会が増えるとストレスが高まります。つまり後者の研究では、総じてソーシャルメディアによってストレスは増加しないという結果が出ています。

 2つの研究は条件や背景が異なるために、単純に比較はできませんが、インターネットやソーシャルメディア、携帯電話の利用も、目的によってストレスに影響しています。

 ヒューストン大学の研究者らは、社会臨床心理学誌(Journal of Social and Clinical Psychology)に、Facebookを長時間利用している人は、他人と自分を比較し、自分の評価が下がり、抑うつを感じていることを報告しました。


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スマホや携帯電話は細菌の温床

 買い物中にスマートフォンや携帯電話を使用すれば、買い物かごやお金から細菌が携帯を汚染します。握手をしたり、他人にスマホを貸したりすれば、他人の手に付着した細菌が携帯を汚染します。トイレでの利用などでスマホや携帯は細菌で汚れているといえます。

 ロンドン大学衛生学熱帯医学大学院とロンドン大学クイーン・メアリーの研究者らは、英国の12市で研究対象となる390の携帯電話と手からサンプルを集めて、細菌の分析をしました。研究者らはまた、対象者の手指の衛生についても質問。結果は以下の通りでした。

1.92%の携帯電話から細菌が検出

2.82%の手から細菌が検出

3.16%の手、16%携帯電話(6台に1台の割合)に、糞便中に見いだされる大腸菌が検出

4.対象者のうち95%は石けんで手を洗える場所では洗っていると答えた。衛生習慣について嘘をつく傾向があることが示唆された


手洗いは命を救う習慣になる

 こうした結果が出たことを、著者のヴァル・カーティス博士は、一部の人はトイレのあとに適切に手を洗っていない可能性があり、石けんで手を洗うのは、単純なことであっても、命を救うことになるのは間違いないといいます。

 大腸菌には、O157などが引き起こす致命的な「腸出血症大腸菌感染症」の発生のリスクもあります。予防のために、手を洗う習慣を身につけましょう。


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座ってばかりいると染色体にも影響が!

 なんといっても現代人は、座っている時間が長くなりました。座りがちな人は身体活動や運動回数に関係なく、肥満やメタボリックシンドローム、2型糖尿病、心血管疾患、総死亡率のリスクが大幅に増加することが、複数の大規模調査から示されています。

 さらにスウェーデンの研究者らは、座ってばかりいる生活だと、加齢とともに短くなる染色体上の「テロメア」が、より短くなることを報告しています。

 テロメアは、染色体の末端にある、染色体を保護する構造のことで、テロメアは細胞の分裂ごとに短くなり、一定の長さ以下になると細胞分裂は止まります。現在、このテロメアの長さが老化や寿命に関与すると考えられています。


30分ごとに1~2分の休憩を

 論文の共著者のヘレニウス博士も、医療・医学ニュースサイト「Medscape Medical News」で、「座って過ごす時間を分割することが重要です。30分ごとに1~2分の休憩を取って椅子を離れるようにしてください」と述べています。長生き、老化の予防には、座ってばかりいないで、立ち上がりましょう!

(日経 Goodayより画像追加)
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