ああ神よ、天より見そなわし(BWV2)

 三位一体主日後第2主日のためのカンタータは、他にBWV76がありますが、今日の日曜カンタータは、コラール・カンタータ年巻に合わせて、一昨年と同じBWV2を聴くことにします。ライプツィヒ2年目のコラール・カンタータ年巻の第2作目で、1724年 6月18日に初演されました。

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 冒頭の合唱曲はマルティン・ルター作詞のコラールで、古い時代のモテット様式で作られています。ルターのコラールは旧約聖書の詩篇第12篇をコラール詩形式に歌い直したもので、詩篇の詩人(伝承によればダビデ)は、神を敬う人が絶え、偽りを語る高慢な者が世にはびこるさまを嘆いています。ルターは、これこそまさに今の世の現状だと捉え、腐敗した聖職者たちに対する厳しい弾劾の気持ちをコラールの詩行に込めています。


 フィリップ・ヘレヴェッヘ指揮、コレギウム・ヴォカーレ・ヘント&オーケストラ、インゲボルク・ダンツ(A)、 ヤン・コボウ(T)、ペーテル・コーイ(B)の演奏でお聴きください。2002年の録音です。




ああ神よ、天より見そなわし(BWV2)

1.合唱
Ach Gott, vom Himmel sieh darein

ああ神よ、天より見そなわし
Und lass dich's doch erbarmen!

なにとぞ哀れと思しめし給え!
Wie wenig sind der Heilgen dein,

なんと御身の聖徒らは数少なく、
Verlassen sind wir Armen;

われらが乏しく打ち棄てられていることか。
Dein Wort man nicht lässt haben wahr,

御身の御言葉は真なりとされず、
Der Glaub ist auch verloschen gar

信仰もまるで失せているのです、
Bei allen Menschenkindern.

人の子ら皆のあいだで。
2.レチタティーヴォ(テノール)
Sie lehren eitel falsche List,

あの者らは偽りの知恵ばかりを教える、
Was wider Gott und seine Wahrheit ist;

御神と神の真理に反することを。
Und was der eigen Witz erdenket,

そして己れの賢しらが考えだしたこと、
- O Jammer! der die Kirche schmerzlich kränket -

-おお嘆かわしい!その賢しらこそ教会をいたく損なう-
Das muss anstatt der Bibel stehn.

それを聖書にとって代えようというのだ。
Der eine wählet dies, der andre das,

ひとりはこれを選びとり、別の者はあれ、
Die törichte Vernunft ist ihr Kompass;

愚かな理性が彼らの羅針盤。
Sie gleichen denen Totengräbern

彼らは死人の墓にそっくりだ、
Die, ob sie zwar von außen schön,

外から見れば美しかろうと、
Nur Stank und Moder in sich fassen

中身はただ腐臭とカビばかり、
Und lauter Unflat sehen lassen.

汚物ばかりが見えるのだ。
3.アリア(アルト)
Tilg, o Gott, die Lehren,

消し去りませ、おお神よ、多くの教え、
So dein Wort verkehren!

御身の御言葉をねじ曲げるものを!
 Wehre doch der Ketzerei

 防ぎませ異端を、
 Und allen Rottengeistern;

 そしてあらゆる徒党を組むやからを。
 Denn sie sprechen ohne Scheu:

 あの者らは言うのです、臆すふうもなく、
 Trotz dem, der uns will meistern!

 「屈するものか、われらに指図などする者に!」と。
4・レチタティーヴォ(バス)
Die Armen sind verstört,

乏しい者らは心をかき乱されている。
Ihr seufzend Ach, ihr ängstlich Klagen

彼らの嘆息、おののく嘆きは、
Bei soviel Kreuz und Not,

敵共が信仰篤い魂を苦しめる
Wodurch die Feinde fromme Seelen plagen,

かくも多くの十字架と困苦の中で
Dringt in das Gnadenohr des Allerhöchsten ein.

届きゆく、いと高き方の恵みの耳の中にまで。
Darum spricht Gott: Ich muss ihr Helfer sein!

それゆえ神は言い給う。

「わたしがあの者たちの助け手とならねばならぬ!
Ich hab ihr Flehn erhört,

彼らの哀願は聞きとどけた、
Der Hilfe Morgenrot,

助けの暁が、
Der reinen Wahrheit heller Sonnenschein

純粋な真理の明るい陽射しが、
Soll sie mit neuer Kraft,

彼らを新たな力でもって、
Die Trost und Leben schafft,

-慰めと命を生み出すカでもって-、
Erquicken und erfreun.

生気づけ、喜ばすようにしよう。
Ich will mich ihrer Not erbarmen,

彼らの困苦を憐れもう、
Mein heilsam Wort soll sein die Kraft der Armen.

わが救いの言葉を、乏しい者らの力となそう。」
5.アリア(テノール)
Durchs Feuer wird das Silber rein,

火をくぐって銀は清められ、
Durchs Kreuz das Wort bewährt erfunden.

十字架をくぐって御言葉はまことと示される。
 Drum soll ein Christ zu allen Stunden

 それゆえキリスト者はあらゆる時に
 Im Kreuz und Not geduldig sein.

 十字架と困苦にあって忍耐せねばならぬ。
6.コラール
Das wollst du, Gott, bewahren rein

それを御身が、御神、保ち給え純粋に、
Für diesem arg'n Geschlechte;

この悪しき時代のやからから。
Und lass uns dir befohlen sein,

そしてわれらを御身に委ねさせ給え、
Dass sichs in uns nicht flechte.

悪しきものがわれらのうちにまじり込まぬよう。
Der gottlos Hauf sich umher findt,

神無き群がまわりにたかり来ます、
Wo solche lose Leute sind

あのごとく不実な者どもが
In deinem Volk erhaben.

御身の民のうちに頭もたげるところでは。

                          対訳:松浦 純

ルカによる福音書 14,16-24

そこで、イエスは言われた。「ある人が盛大な宴会を催そうとして、大勢の人を招き、宴会の時刻になったので、僕を送り、招いておいた人々に、『もう用意ができましたから、おいでください』と言わせた。すると皆、次々に断った。最初の人は、『畑を買ったので、見に行かねばなりません。どうか、失礼させてください』と言った。ほかの人は、『牛を二頭ずつ五組買ったので、それを調べに行くところです。どうか、失礼させてください』と言った。僕は帰って、このことを主人に報告した。すると、家の主人は怒って、僕に言った。『急いで街の広場や路地へ出て行き、貧しい人、体の不自由な人、目の見えない人、足の不自由な人をここに連れてきなさい。』やがて、僕が、『御主人様、仰せのとおりにいたしましたが、まだ席があります』と言うと、主人は言った。『通りや小道に出て行き、無理にでも人々を連れて来て、この家をいっぱいにしてくれ。言っておくが、あの招かれた人たちの中で、わたしの食事を味わう者は一人もいない。』」
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