6つのイギリス組曲(BWV806~BWV811)

 イギリス組曲として親しまれているチェンバロのための6つの組曲は、BACH自身による名称ではなく、BACHは「前奏曲付き組曲」と呼び、前奏曲のない組曲(通称フランス組曲)と区別し、前者を「大きな組曲」、後者を「小さな組曲」と呼んでいたと言われます。作曲されたのは1715~18年頃、ヴァイマール後期またはケーテン初期と推定されています。


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ヴァージナルの前に座る女性(フェルメール)部分


 BACHのピアノ演奏は、個人的に馴染めないので除外し、各曲を6人のチェンバリストの演奏で聴き比べてみました。


 第1番イ長調(BWV806)グスタフ・レオンハルトの演奏でお聴きください。楽器はマルティン・スコヴロネックによって修復されたニコラ・ルフェーヴル(1755年製作)のチェンバロ(レオンハルト所蔵)で、1984の収録です。


プレリュード ・アルマンド・クラント I ・クラント IIと2つのドゥーブル ・サラバンド・ブレ I-II・ジグ



 第2番イ短調(BWV807)コリン・ティルニーは1933年生まれのイギリスのチェンバリストで、カナダのターフェルムジーク・バロック管弦楽団とも共演しています。1993年収録です。

プレリュード・アルマンド・クラント・サラバンド・ブレ I-II・ジグ



 第3番 ト短調 (BWV 808)トレヴァー・ピノックの演奏です。使用楽器はアメリカのデビッド・ジャック・ウェイ(1755年のヘムシュのレプリカ)で、1992年の録音です。


プレリュード・アルマンド・クラント・サラバンド・ガヴォット I-II・ジグ  



 第4番ヘ長調(BWV 809)はフランスのクラヴサン奏者ピエール・アンタイの演奏会の録画です。使用楽器は ミヒャエル・ミートケだと思いますが、演奏年月は不明です。


プレリュード ・アルマンド・クラント・サラバンド ・メヌエット I-II ・ジグ



 第5番 ホ短調 (BWV 810)はオランダのチェンバロ奏者ボブ・ファン・アスペレンです。楽器はグルマン/タスカン(1764)で1999年収録です。


プレリュード ・アルマンド・クラント・サラバンド・パスピエ I(ロンドー)-II ・ジグ



 最後の第6番 ニ短調 (BWV 811)クリストフ・ルセの演奏です。楽器はヨハネス・リュッカース(1745)で録音は2003年頃です。チェンバロ演奏は楽器によって印象が異なります。楽器の聴き比べも楽しみの一つです。


プレリュード ・アルマンド・クラント ・サラバンド・ガヴォット I-II ・ジグ



 

 選んだ演奏家はトレヴァー・ピノック以外はすべてレオンハルトの門下生です。近年のチェンバロ演奏では、レオンハルトの影響が大変大きいことが分かります。
 聴き比べるとやはりクリストフ・ルセの流麗さが際立っていますが、レオンハルトは2度目の録音で、1973年の旧録音に比べてテンポも速くなり、格調高い素晴らしい演奏です。他も一流の演奏家だけあって優れた演奏です。

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