ああ主よ、あわれなる罪人のわれを(BWV135)

 今日の日曜カンタータは三位一体主日後第3主日、1724.6.25にライプツィヒで初演された、牧師で作曲家のキュリアクス・シュネーガスの同名のコラールによるコラール・カンタータです。用いられているコラールの旋律はドイツの作曲家ハンス・レーオ・ハスラーの作で、特に「マタイ受難曲」のコラールの旋律として知られるもので、カンタータ全体を支えています。
  


 歌詞台本作者は不詳ですが、朗読された福音書聖句は「悔い改める1人の罪人」について述べたもので、カンタータでは罪人がイエスに癒やしを求める内容です。なお、初演当日はBACHはケーテンへ旅行中であったため立ち会っていないと言われます。


 昨年はグスタフ・レオンハルトの演奏を聴きましたが、今回はトン・コープマン指揮、アムステルダム・バロック・オーケストラ&合唱団、アネット・マーカート(A)、クリストフ・プレガルディエン(T)、クラウス・メルテンス(B)の演奏でお聴きください。
  

  


ああ主よ、あわれなる罪人のわれを(BWV135)

1.合唱

Ach Herr, mich armen Sünder

ああ主よ、あわれな罪人のわたしを

Straf nicht in deinem Zorn,

あなたのお怒りで罰されないでください、

Dein' ernsten Grimm doch linder,

あなたの深いお怒りを和らげてください、

Sonst ist's mit mir verlorn.

さもないとわたしには成す術がありません。

Ach Herr, wollst mir vergeben

ああ主よ、わたしの罪を許され

Mein Sünd und gnädig sein,

御恵みをお与えください、

Dass ich mag ewig leben,

わたしが永久に生き、

Entfliehn der Höllenpein.

陰府(よみ)の責め苦から逃れられるようlこ。

2.レチタティーヴォ(テノール)

Ach heile mich, du Arzt der Seelen,

ああ、わたしを癒してください、あなたは魂のお医者、

Ich bin sehr krank und schwach;

わたしは病気が重く、弱っています。

Man möchte die Gebeine zählen,

骨が数えられるほどです、

So jämmerlich hat mich mein Ungemach,

わたしの不幸、わたしの十字架と苦しみが、

Mein Kreuz und Leiden zugericht;

わたしをこれはど悲惨にしたのです。

Das Angesicht Ist ganz von Tränen aufgeschwollen,

わたしの顔は涙でまつたく腫れ上がっています、

Die, schnellen Fluten gleich, von Wangen abwärts rollen.

その涙は急流のように、頬から滴り落ちています。

Der Seele ist von Schrecken angst und bange;

魂は恐れと不安でふるえています。

Ach, du Herr, wie so lange?

ああ、主よ、いつまでなのでしよう。

3.アリア(テノール)

Tröste mir, Jesu, mein Gemüte,

イエスよ、わたしの心を慰めてください、

Sonst versink ich in den Tod,

さもないとわたしは死の淵に沈みます、

Hilf mir, hilf mir durch deine Güte

どうかわたしを救ってください、あなたの慈しみで

Aus der großen Seelennot!

わたしをこの大きな魂の苦境から。

Denn im Tod ist alles stille,

死の国に行けばすべては沈黙で、

Da gedenkt man deiner nicht.

だれもあなたのことを考えません。

Liebster Jesu, ist's dein Wille,

親愛なるイエスよ、それが御心なら、

So erfreu mein Angesicht!

どうかわたしの顔を喜ばせてください。

4.レチタティーヴォ(アルト)

Ich bin von Seufzen müde,

わたしは嘆き疲れました。

Mein Geist hat weder Kraft noch Macht,

わたしの霊はどんな力もありません、

Weil ich die ganze Nacht

わたしは終夜

Oft ohne Seelenruh und Friede

しばしば魂の安らぎも平和もなく

In großem Schweiß und Tränen liege.

はなはだしい汗と涙のなかに横たわっています。

Ich gräme mich fast tot und bin vor Trauern alt,

わたしは死ぬはど悲しみ、それゆえ老いてしまいました、

Denn meine Angst ist mannigfalt.

わたしの不安はさまざまあるからです。

5.アリア(バス)

Weicht, all ihr Übeltäter,

悪を行う者よ、皆わたしを離れよ、

Mein Jesus tröstet mich!

わがイエスはわたしを慰めてくださる。

  Er lässt nach Tränen und nach Weinen

  主は涙と嘆きの後に

  Die Freudensonne wieder scheinen;

  喜びの太陽をふたたび輝かせられる、

  Das Trübsalswetter ändert sich,

  苦難の天候も変わりゆき、

  Die Feinde müssen plötzlich fallen

  敵は突然打ち倒れ

  Und ihre Pfeile rückwärts prallen.

  彼らの矢ははね返されるにちがいない。

6.合唱

Ehr sei ins Himmels Throne

天の御座に栄光あれ

Mit hohem Ruhm und Preis

高い栄誉と称賛に満ち

Dem Vater und dem Sohne

父と御子と

Und auch zu gleicher Weis

またそれに等しく

Dem Heilgen Geist mit Ehren

聖霊とに栄光あれ

In alle Ewigkeit,

世よとこしえに、

Der woll uns all'n bescheren

神がわれらすへてに

Die ewge Seligkeit.

永遠の至福を授けられるように。

                   対訳:樋口隆一


ルカによる福音書 15章 1~10

 徴税人や罪人が皆、話を聞こうとしてイエスに近寄って来た。すると、ファリサイ派の人々や律法学者たちは、「この人は罪人たちを迎えて、食事まで一緒にしている」と不平を言いだした。そこで、イエスは次のたとえを話された。「あなたがたの中に、百匹の羊を持っている人がいて、その一匹を見失ったとすれば、九十九匹を野原に残して、見失った一匹を見つけだすまで探し回らないだろうか。そして、見つけたら、喜んでその羊を担いで、家に帰り、友達や近所の人々を呼び集めて、『見失った羊を見つけたので、一緒に喜んでください』と言うであろう。言っておくが、このように、悔い改める一人の罪人については、悔い改める必要のない九十九人の正しい人についてよりも大きな喜びが天にある。」
 「あるいは、ドラクメ銀貨を十枚持っている女がいて、その一枚を無くしたとすれば、ともし火をつけ、家を掃き、見つけるまで念を入れて捜さないだろうか。そして、見つけたら、友達や近所の女たちを呼び集めて、『無くした銀貨を見つけましたから、一緒に喜んでください』と言うであろう。言っておくが、このように、一人の罪人が悔い改めれば、神の天使たちの間に喜びがある。

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