運動することは年齢に関係なく若い筋肉が保てる!

 人間は加齢とともに身体機能や筋肉が衰えていきますが、80歳代の一流スポーツ選手を対象にした研究により、高齢になっても運動を続けている人としない人では、筋肉細胞の状態で数十年以上の差が生じることが明らかになりました。

 若い人たちは一般的に高齢者より多くの筋肉を持っていますが、それは年齢を重ねると共に失われていきます。筋肉は繊維状の筋肉細胞である筋繊維で構成されており、筋肉にはそれぞれ運動ニューロンが紐付いています。運動ニューロンと筋繊維のセットは運動単位と呼ばれています。


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 運動単位が完全な状態のとき、運動ニューロンは収縮させる筋繊維に指令を送ります。筋繊維が反応することで足・まぶた・指などの各部を動かすことができるようになっています。しかしながら、30代にさしかかると運動ニューロンが死に始め、筋繊維が孤立してしまい、運動ニューロンを失った筋繊維は神経系から断絶されることになります。

 20代以下であれば、別の運動ニューロンが孤立した筋繊維の救助に訪れ、再接続することができますが、30代以降は運動ニューロンが少なくなっていくため、年を追うごとに孤立した筋繊維の救助が難しくなります。孤立した筋繊維はやがてしぼんで死んでしまうため、筋肉が衰えてしまうわけです。


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 このプロセスは60代に達するとさらにスピードアップする傾向にあり、科学的にもこの現象は避けられないものと考えられていました。そんな中、マギル大学の研究チームは80代でかつて世界一流の陸上選手として活動していた29人の協力のもと、運動量の差によって年齢とともに筋肉が衰える身体現象を阻止・低下できうるのか研究した結果をアメリカ生理学会の論文誌・Journal of Applied Physiologyで発表しました。

 研究は一流スポーツ選手グループと、対照群として同年代の比較的運動量の少ない健康なグループによって行われました。研究チームは両グループに簡単な筋肉テストを行ってもらい、テスト中の動作を筋肉の電気活性をセンサーでチェックしました。計測した筋肉のサイズと電気活性を独自の公式に当てはめることで、参加者の筋肉の中でどれだけの運動単位が生存し、どのくらい有効的に機能しているかを割り出したとのこと。

 その結果、最上位のスポーツ選手は他のグループに比べて平均約25%以上も強じんな筋肉を持っていることがわかりました。筋肉量で見るとスポーツ選手のグループは対照群より約14%多く筋肉を持っていたとのこと。運動単位ではスポーツ選手のグループが30%も多く確認され、個々の運動単位が対照群のグループより有効的に機能していることもわかったそうです。一方、対照群の運動単位からは死に接している運動ニューロンが出す特有の電気的信号がより多く確認されました。

 研究主導者の1人であるゲルフ大学のジェフリー・パワー准教授によると、「スポーツ選手のグループは同年代より数十年以上若い人に似た筋肉を持っていました」と話しています。ほとんどの元陸上選手らは80歳を超えても毎週数時間以上の激しい運動を行っており、筋肉のアンチエイジングが運動によって成功していると考えられるとのこと。アスリート並みの運動を行うのは困難ですが、一部では50代までほとんど運動しなかったという陸上選手も同様に良い筋肉状態を維持していたため、「もう運動するには遅すぎる」ということはないそうです。

(Well―Gigazineより)
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