心と口と行いと生活で(BWV147)

 BACHの時代のマリアのエリサベト訪問の祝日は7月2日でした。現在では5月31日になっていますが、当時の教会暦に合わせて、今日聴くことにします。

 マリアが、天使から受胎告知を受けたころ、彼女の親族であるエリザベトも懐妊しました。エリサベトと胎内の子(洗礼者ヨハネ)は聖霊に満たされ、エリサベトはマリアを祝福しました。


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 このカンタータは1723.7.2にライプツィヒで初演されましたが、BACHの教会カンタータの中で最も有名な「主よ、人の望みの喜びよ」の合唱(コラール)は、このカンタータの中の第1部と第2部の終曲で2回歌われます。これは「イエスを身ごもったマリアの喜び」を表しています。


 3月、ニコラウス・アーノンクールの訃報として演奏会の録画で紹介しましたが、今日はハリー・クリストファーズ指揮、ザ・シックスティーン、シンフォニー・オブ・ハーモニー・アンド・インヴェンション、ジリアン・フィッシャー (S)、ディビッド・ジェームス(CT)、 イアン・パートリッジ(T)、マイケル・ファスベンダージョージ(B)の演奏でで聴くことにします。


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 ザ・シックスティーンは、クリストファーズによって1977年に設立された、

古楽、宗教曲を演奏するイギリスの16人のメンバーによる合唱団です。今まで取り上げたことはありませんが、穏やかで落ちついた素晴らしい演奏です。




心と口と行いと生活で(BWV147)

第1部

1.合唱

Herz und Mund und Tat und Leben

心と口と行いと生き方が

muß von Christo Zeugnis geben

キリストの証しをしなければならない

ohne Furcht und Heuchelei,

恐れもてらいもなく、

daß er Gott und Heiland sei.

彼こそが神であり救い主であると。

2.レチタティーヴォ(テノール)

Gebenedeiter Mund!

祝福された口よ!

Maria macht ihr Innerstes der Seelen

マリアは心の奥底を

durch Dank und Rühmen kund;

感謝と賛美を通して告げ知らせる─

sie fänget bei sich an,

彼女は自分自身に、

des Heilands Wunder zu erzählen,

救い主の奇跡について語りはじめる、

was er an ihr als seiner Magd getan.

彼が主のはしためになされたことを。

O! menschliches Geschlecht,

おお!人間という種族よ、

des Satans und der Sünden Knecht,

悪魔と罪の奴隷よ、

du bist befreit

あなたは解き放たれている

durch Christi tröstendes Erscheinen

キリストが現れこの世に慰めをもたらしてくださったことによって

von dieser Last und Dienstbarkeit!

この重荷と隷属から!

Jedoch dein Mund und dein verstockt Gemüte

しかしなおあなたの口とかたくなな心根は

verschweigt, verleugnet solche Güte;

押し黙り、これほどの慈愛を認めない。

doch wisse, daß dich nach der Schrift

だが知るが良い、聖書(の預言)によってあなたには

ein allzu scharfes Urteil trifft.

この上なく厳しい裁きが下されることを。

3.アリア(アルト)

Schäme dich, o Seele, nicht,

恥じるな、おお私の魂よ

deinen Heiland zu bekennen,

これが私の救い主だと告白することを、

soll er dich die Seine nennen

もし彼に、父の目の前で

vor des Vaters Angesicht!

彼に属するものと呼ばれようとするのなら!

Doch wer ihn auf dieser Erden

だがこの地上において彼を

zu verleugnen sich nicht scheut,

知らないと言ってはばからない者は、

soll von ihm verleugnet werden,

彼からも知らないと言われるだろう、

wenn er kömmt zur Herrlichkeit.

彼が栄光の座に着かれるときに。

4.レチタティーヴォ(バス)

Verstockung kann Gewaltige verblenden,

権力者たちはかたくなな心で目を曇らせ、

bis sie des Höchsten Arm vom Stuhle stößt;

やがて主の腕は彼らをその座から突き落とす。

doch dieser Arm erhebt,

だがその一方でその腕は、

obschon vor ihm der Erden Kreis erbebt,

たとえ彼の前で全地が揺れ動こうとも、

hingegen die Elenden,

貧しく惨めな人々を引き上げる、

so er erlöst.

彼が救おうとされる人々を。

O hochbeglückte Christen,

おおこの上なく恵まれたキリスト者よ、

auf, machet euch bereit,

立ち上がれ、備えよ、

itzt ist die angenehme Zeit,

今は恵みの時、

itzt ist der Tag des Heils: Der Heiland heißt

今日は救いの日。救い主はあなたがたに命じられる

euch Leib und Geist

身体と霊を

mit Glaubensgaben rüsten,

信仰のたまもので整えよと、

auf, ruft zu ihm in brünstigem Verlangen,

立ち上がれ、彼に向かって熱い願いをもって呼ばわれ、

um ihn im Glauben zu empfangen.

彼を信仰によって受け入れるために。

5.アリア(ソプラノ)

Bereite dir, Jesu, noch itzo die Bahn,

備えてください、イエスよ、今すぐにもあなたの道を、

mein Heiland, erwähle

私の救い主よ、選び取ってください

die gläubende Seele

この信じる魂を

und siehe mit Augen der Gnaden mich an.

そして慈愛をもって私に目を留めて下さい。

6.合唱(コラール)

Wohl mir, daß ich Jesum habe,

幸せだ私は、イエスは私のもの、

o wie feste halt ich ihn,

おおなんと固く彼を抱きしめて、

daß er mir mein Herze labe,

彼が私の心を生き返らせるのだと、

wenn ich krank und traurig bin.

私が病んで悲しみの底にあるときに。

Jesum hab ich, der mich liebet

イエスは私のもの、彼は私を愛され

und sich mir zu eigen gibet;

そして御自身を私に与えて下さる。

ach drum laß ich Jesum nicht,

ああだから私はイエスを放さない

wenn mir gleich mein Herze bricht.

まさに私の心が砕けようとするときでも。

第2部

7.アリア (テノール)

Hilf, Jesu, hilf, daß ich auch dich bekenne,

助けを、イエスよ、助けをください、

私もあなたに信仰を告白できるように

in Wohl und Weh, in Freud und Leid,

幸せの時も嘆きの時も、喜びの時も悲しみの時も、

daß ich dich meinen Heiland nenne

私があなたを信仰と平安のうちに

im Glauben und Gelassenheit,

救い主と呼べるように、

daß stets mein Herz von deiner Liebe brenne,

常に私の心があなたの愛に燃えるように。

hilf, Jesu, hilf!

助けを、イエスよ、助けをください!

8.レチタティーヴォ(アルト)

Der höchsten Allmacht Wunderhand

いと高き全能の神の奇跡の手は

würkt im Verborgenen der Erden.

この地上で人知れず働いている。

Johannes muß mit Geist erfüllet werden,

今やヨハネは聖霊に満たされ、

ihn zieht der Liebe Band

母の胎内にいるときすでに

bereits in seiner Mutter Leibe,

愛の絆が彼を引き寄せ、

daß er den Heiland kennt,

そこで彼は救い主を知る、

ob er ihn gleich noch nicht

たしかに彼はまだ

mit seinem Munde nennt,

その口で救い主の名を呼ぶことはできないが、

er wird bewegt, er hüpft und springet,

彼は揺り動かされる、彼は喜びに踊る、

indem Elisabeth das Wunderwerk ausspricht,

エリサベトが奇跡を語る間にも、

indem Mariae Mund der Lippen Opfer bringet.

マリアの口が唇の捧げもの(神への賛美)を運ぶ間にも。

Wenn ihr, o Gläubige, des Fleisches Schwachheit merkt,

おお信じる者たちよ、もしあなたがたが肉体の弱さに気づき、

wenn euer Herz in Liebe brennet,

もしあなたがたの心が愛に燃えていながら、

und doch der Mund den Heiland nicht bekennet,

なおその口が救い主への信仰を告白しないときには、

Gott ist es, der euch kräftig stärkt,

神こそがあなたがたを強めて下さる、

er will in euch des Geistes Kraft erregen,

彼はあなたがたのうちに聖霊の力を引き起こし、

ja, Dank und Preis auf eure Zunge legen.

まことに、感謝と賛美をあなたがたの舌の上に置いて下さるのだ。

9.アリア(バス)

Ich will von Jesu Wundern singen

私はイエスの奇跡を歌おう

und ihm der Lippen Opfer bringen,

そして彼に唇の捧げものを運ぼう、

ich will von Jesu Wundern singen.

私はイエスの奇跡を歌おう。

Er wird nach seiner Liebe Bund

彼は自らの愛の契約に従って

das schwache Fleisch, den irdschen Mund

弱い肉体を、現し身の口を

durch heilges Feuer kräftig zwingen.

神聖な火の力によって力強く信仰へと向けて下さる。

10 .合唱(コラール)

Jesus bleibet meine Freude,

イエスは常に私の喜び、

meines Herzens Trost und Saft,

私の心の慰めそして生気、

Jesus wehret allem Leide,

イエスはすべての悲しみから守ってくださる、

er ist meines Lebens Kraft,

彼は私の生きる力、

meiner Augen Lust und Sonne,

私の目の楽しみそして太陽、

meiner Seele Schatz und Wonne;

私の魂の宝そして喜び、

darum laß ich Jesum nicht,

だから私はイエスを放さない、

aus dem Herzen und Gesicht.

私の心と目の及ぶ限りから。

                      翻訳:葛の葉のHPより


ルカによる福音書 1章 39-56

 そのころ、マリアは出かけて、急いで山里に向かい、ユダの町に行った。そして、ザカリアの家に入ってエリサベトに挨拶した。マリアの挨拶をエリサベトが聞いたとき、その胎内の子がおどった。エリサベトは聖霊に満たされて、声高らかに言った。「あなたは女の中で祝福された方です。胎内のお子さまも祝福されています。私の主のお母さまがわたしのところに来てくださるとは、どういうわけでしょう。あなたの挨拶のお声を私が耳にしたとき、胎内の子は喜んでおどりました。主がおっしゃったことは必ず実現すると信じた方は、なんと幸いでしょう。」

 そこで、マリアは言った。「わたしの魂は主をあがめ、私の霊は救い主である神を喜びたたえます。身分の低い、この主のはしためにも目を留めてくださったからです。今から後、いつの世の人もわたしを幸いなものと言うでしょう、力ある方が、わたしに偉大なことをなさいましたから。その御名は尊く、その憐れみは代々に限りなく、主を畏れる者に及びます。主はその腕で力を振るい、思い上がる者を打ち散らし、権力ある者をその座から引き降ろし、身分の低い者を高く上げ、

飢えた人を良い物で満たし、富める者を空腹のまま追い返されます。その僕イスラエルを受け入れて、憐れみをお忘れになりません、わたしたちの先祖におっしゃったとおり、アブラハムとその子孫に対してもとこしえに。」

 マリアは、三ヶ月ほどエリサベトのところに滞在してから、自分の家に帰った。
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