ソナタ ニ短調(BWV964)

 このソナタは、1920年に作曲された無伴奏ヴァイオリンソナタ第2番イ短調(BWV1003)から編曲ですが、クラヴィーア用に編曲したのはBACH自身ではないという説もあります。原曲のイ短調をニ短調に移調して、原曲をそのままクラヴィーア作品に置き換えています。但し、フーガの部分では対旋律が付加されて、見事なポリフォニーを形成しています。編曲は1730年頃とされています。


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 BACH自身による編曲が判明していないためか、すべての名チェンバリストが録音しているわけではありませんが、それでも多くの演奏がYoutubeで聴けます。

 その中から5人の演奏を聴いてみます。

I. Adagio

II. Fuga:Allegro

III. Andante

IV. Allegro


 最初はフランスのチェンバリスト、ヴィオレーヌ・コチャールの演奏会の録画です。コチャールはクリストフ・ルセやピエール・アンタイに師事し、1999年6月、モントリオール国際チェンバロのコンクールで最優秀賞を受賞しています。



 ピーター・ダークセンはオランダ出身のハープシコードとオルガン奏者で、室内楽アンサンブルのメンバーとして活動。さらにバロック期の鍵盤音楽について多数の著書を出版しています。現在、コンバッティメント・コンソート・アムステルダムとオランダ・バッハ協会のメンバーです。



 アルフォンソ・フェディはグスタフ・レオンハルトにも師事したイタリアの鍵盤奏者です。またフィレンツェのサンタマリア大聖堂デルフィオーレのオルガニストや聖歌隊の指揮もしています。




 オノフリオ・デラ・ローザは1963年イタリアまれのピアノ・チェンバロ奏者で、1990年代終わり、30代半ばを過ぎて初めてチェンバロを始め、ジェノヴァ・ネルヴィで開催される夏期講習会でボブ・ファン・アスペレンの指導を受けたという異色の経歴の持ち主です。



 最後にグスタフ・レオンハルトの愛弟子、ボブ・ファン・アスペレンの演奏をお聴きください。







 チェンバロはピアノと異なり、強弱をつけた演奏ができません。それでもアゴーギクやテンポによって微妙に表情が変わります。5人の中でベストを選ぶと、やはりボブ・ファン・アスペレンでしょう。ヴィオレーヌ・コチャールは丁寧な演奏ですがテンポも遅めで、盛りに欠けます。ピーター・ダークセンもアゴーギクをつけない端正な演奏で、少し単調な感じがします。

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