アーミッシュの健康の秘密が明かされる

 米のアーミッシュの住民を対象とした調査から、一部の住民に共通した遺伝子変異があり、変異がある人では、ない人と比べて平均寿命が10年長いことが分かりました。

 アーミッシュは、インディアナ州、ペンシルベニア州・中西部などやカナダ・オンタリオ州などに居住するドイツ系移民の宗教集団で、移民当時の生活様式を頑なに保持し、農耕や牧畜によって自給自足生活をしていることで知られます。



 調査では遺伝子変異がある人では細胞の老化に関係するテロメア(染色体の末端を保護している部位)が長く、糖尿病の有病率や空腹時インスリン値が低いことも明らかになったといいます。

 テロメアは染色体の先端部に存在し、らせん状の大切な遺伝子情報を保護するキャップのような存在。このテロメアも細胞分裂の際に短くなり、その結果としての老化現象が引き起こされます。

 米ノースウェスタン大学や東北大学などのグループが実施したこの調査では、インディアナ州バーンのアーミッシュのコミュニティーで暮らす18~85歳の住民177人を対象に遺伝子検査を実施したところ、43人にプラスミノーゲン活性化抑制因(PAI-1)をエンコードするSERPINE1遺伝子の変異がありました。

 また、この遺伝子変異がある住民では平均寿命が85歳(範囲73~88歳)だったのに対し、変異がない住民では75歳(同70~83歳)で、10年の差が認められました。さらに、遺伝子変異がある住民では、変異がない住民と比べてテロメアが10%長かったほか、糖尿病の有病率が低く、空腹時インスリン値が低いことも明らかになりました。このほか、血管のスティフネス(硬さ)にも違いが認められたといいます。


将来は遺伝子変異がなくても健康長寿に

 PAI-1は血液凝固を促進するタンパク質として知られます。これまでにPAI-1が老化に関係することはマウスの研究で示されていましたが、ヒトへの影響については分かっていませんでした。

 論文の筆頭著者である米ノースウェスタン大学のDouglas Vaughan氏は、同大学のプレスリリースで「テロメアという分子レベルの老化マーカーだけでなく、代謝(空腹時インスリン値)や心血管(血圧および血管の硬さ)の老化マーカーの全てにおいて、加齢による変化から守られている人たちが存在することが分かった」と説明。「彼らは長寿であるだけでなく、健康に長生きしている。これは望ましい長寿の在り方だ」と話しています。

 現在、こうしたベネフィットが期待できるのは特定の遺伝子変異があるアーミッシュの一部の住民に限定されていますが、将来、遺伝子変異がなくても同じようなベネフィットが得られる可能性はあります。

 東北大学の宮田敏男氏らが脈血栓症などに代表される血栓性疾患の治療および予防薬として、PPAI-1の産生を阻害する薬剤を開発し、既にヒトを対象とした臨床試験でその安全性が確認されています。

 これを受け、Vaughan氏らも米国の2型糖尿病および肥満の患者を対象とした同薬の臨床試験を計画中で、半年以内の開始を目指し米食品医薬品局(FDA)への申請を予定しているといいます。

 また、同氏はPAI-1阻害薬の臨床試験を実施するだけでなく、今後も定期的にアーミッシュのコミュニティーを訪問し、遺伝子変異による影響についてさらに詳しく調べたいとの意向を示しています。

(Health Pressより)

国連も危惧するAI失業、一方で「新たに生まれる」職業は?

 高度に発達した人工知能(AI)やロボットの登場・普及は、人間から多くの仕事を奪っていく——ディープラーニングの発明などにより第3次人工知能ブームが始まって以降、こののテーゼは、多くのメディアや研究機関から、根拠となる統計データとともに途絶えることなく語られ続けてきました。消えてなくなる職種を予想し、ひとつひとつ具体的に列挙したデータも多くあります。



 雇用に懸念を表明するデータや報道を挙げていけば枚挙に暇がないが、なかでも国連の動きは象徴的だ。海外メディアによって、国連がAIおよびロボットの導入による大量失業や自律兵器の拡散を監視する常設組織「人工知能・ロボットセンター」を設立すると明らかにされたのは今年9月のこと。国連は2017年初めにオランダ政府と協定を締結。今後、同国ハーグにその常設組織を設置する計画だといいます。

 国連の関連組織はこれまでも、人工知能に関するプロジェクトをいくつか推進してきましたが、どれも一時的な取り組みに過ぎなかったといいます。一方、今回の常設組織は、それら活動とは一線を画す本格的な取り組みを目指すために設立されると説明されています。

 国連などが懸念するように、AIおよびロボットの普及による大量失業は本当に起こるのでしょうか。その結末は「神のみぞ知るところ」ですが、現在の議論を見るに不安を煽る方向に偏りがあることも否定できません。なくなる仕事に議論が集中するあまり、テクノロジーの発展によって増えたり、もしくは新しく生まれる仕事については、ほとんどフォーカスされていません。

 そこでここでは、AI・ロボット時代に増加、もしくは新たに生まれると予想される仕事を検証してみることにします。


エンジニアやデザイナーの需要が増える

 まず、AIやロボット、IoT端末(ドローンや自動走行車なども含む)が活躍する未来においては「イメージ感知」の精度を上げるためのセンシング技術を開発・活用する仕事の需要が増えるでしょう。AIを搭載したハードウェアが正しく動作するためには、周辺の人々、障害物、状況などさまざまなデータを正確に把握・検出・収集する必要があります。

 そうなると、悪天候や深夜などの条件に捉われない高感度センサーを開発する「スマートセンサー開発者」や、各種映像データを認識・解釈するためのアルゴリズムを開発する「コンピューターによる認識技術のスペシャリスト」が必要になってきます。同じくイメージ感知の分野で言えば、3DプリンタやVR技術に長けた「モノ・空間スキャンの専門家」が登場するかもしれません。彼らは、現実をデジタルに、またデジタル情報を現実に変換する役割を担うことになるでしょう。

 第二に、機械が人間の介入なしに自律的にものごとを判断できるようにすること、つまり「機械の知能化」に関連した仕事が増えるとも予想できます。未来においては、これまでとは比較にならない膨大な量のビックデータが生まれると言われています。それらを人間がひとつひとつ収集し、細かく分析していくことは事実上不可能です。それよりも、機械を知能化させて効果的かつ効率的に使いこなす方法を生み出す仕事が必要になります。

 例えば、「生成的AIデザイナー」といったような職業が生まれるかもしれません。彼らが開発するのは、ビックデータを基に最適化された製品の強度、柔軟性、サイズなどを自律的にデザインしてくれるソフトウェアです。生成的AIデザイナーは、それら知能化されたツールを駆使して、ユーザーの好みや使用環境に合わせた電子製品、自動車、スポーツ用品などデザインしていきます。

 金融分野では、「P2Pローンの専門家」も登場するかもしれません。彼らは借り入れ希望者の所得、不動産、金融取引実績のほか、SNS、ローン申込書の文章特性などを人工知能に分析させ、その信用力を評価することで、融資審査や金利を決定する役割を担うことになるでしょう。

 一方、製造業などの現場では、AIに設備の異常予兆を検知させる「予測修理エンジニア」の登場も現実的に想定できます。彼の仕事は、故障前にメンテナンスを行い企業の設備稼働率を向上させることです。

 AI・ロボット時代にはまた、正確かつ直感的に機械を制御するための「ユーザーインターフェイス(UI)」分野でも、新たな仕事が生まれるでしょう。スマートフォンが普及し、音声や画面タッチを通じて機械を操作することが普通になったように、あらゆるモノが知能化される未来においては、同分野の技術革新が再び活発になると予想されます。


職人の技術をどうロボットに教えるか

 そのような文脈で見たときには、「五感制御の専門家」が登場するのはまず間違いありません。その仕事の中身は、五感で仮想現実を体験する技術、もしくは仮想空間内のものを違和感なく操作するための技術を開発していくというものになるでしょう。

 産業用ロボット分野では、「ロボットトレーナー」も必要になってくるかもしれません。ロボットがこなすべきタスクを教育・訓練して、現場で運用していく職業です。日本のある大手自動車企業の幹部は次のように話しています。

 「日本の自動車製造の現場では、職人不足が問題となっています。言いかえれば、技術をどう伝承していくかという課題が浮上してきているわけですが、将来的には、数少ない職人の技術を複数のロボットに教え込んでいくという方向性が重要になってくると思います」

 ここで挙げた例以外にも、新たに生まれる仕事はきっと多いはず。視点を変えれば、新たな仕事が生まれなければ、真のAI・ロボット時代は拓かれないともいえます。当然のことかもしれませんが、いかに機械が知能化すると言えども、それを生み出したり、利用するのはあくまで人間だからです。

 仮に新しい職業が生まれるとして、課題として浮上しそうなのは教育問題ではないでしょうか。AI・ロボット時代に即した人材像をきちんと想定し、そこに向かって国や企業、そして個人が時間や予算を投じてこそ、新しい職業は現実的なものになってきます。

 つまり「仕事が生まれる」のではなく、「仕事を生み出す」ためのグランドデザインが必要不可欠です。世界中で語られる大量失業というバットエンディングを回避するためにも、人間の仕事の具体的な未来像を見据える努力が問われています。

(Forbesより)

神よ、汝の誉れはその御名のごとく(BWV171)

 新年を寿ぐカンタータをBACHは4曲残しています。この作品は1729.1.1ライプツィヒで初演されたピカンダーの歌詞台本によるカンタータです。1728年から1729年にかけてBACHはピカンダーのテキストに作曲し「ピカンダー年巻」とも呼ばれていますが、残されたものは10曲に満たず、多くが失われてしまったとも言われています。


lgp01a201309282300.jpg


 1729年の新年の礼拝のために作られたこの曲は、すべてが新作ではなく、第4曲は世俗カンタータBWV205のパロディーで、終曲のコラールもMWV41からの転用です。第1曲も自筆譜が浄書体であることからみて、既作品からの転用と見られます。


 トン・コープマン指揮、アムステルダム・バロック・オーケストラ&合唱団、サンドリーヌ・ピオー(S)、ボグナ・バルトシュ(A)、クリストフ・プレガルディエン(T)、クラウス・メルテンス(B)の演奏でお聴きください。





神よ、汝の誉れはその御名のごとく(BWV171)

1 .合唱

Gott, wie dein Name, so ist auch dein Ruhm bis an der Welt Ende.

「神よ、御名がそうであるように、あなたの栄光も世の果てにまで及びます。」

2 .アリア(テノール)

Herr, so weit die Wolken gehen,

主よ、雲の行くかぎりどこまでも

Gehet deines Namens Ruhm.

御名の栄光は及びます。

   Alles, was die Lippen rührt,

   唇を動かすものはすべて、

   Alles, was noch Odem führt,

   また息をするものはすべて、

   Wird dich in der Macht erhöhen.

   勢威あるあなたを誉めあげるでしょう。

3 .レチタティーヴォ(アルト)

Du süßer Jesus-Name du,

あなた、イエスという甘美な名前よ、

In dir ist meine Ruh,

あなたのうちに、私の安らぎはあるのです。

Du bist mein Trost auf Erden,

あなたは、地上における私の慰めです。

Wie kann denn mir

であるからには、なぜ私が

Im Kreuze bange werden?

十字架を恐れましょうか。

Du bist mein festes Schloss und mein Panier,

あなたは私の堅い城にして、私の旗。

Da lauf ich hin,

私はそこに逃れて行きます、

Wenn ich verfolget bin.

迫害を受けた時には。

Du bist mein Leben und mein Licht,

あなたは私の生命にして光、

Mein Ehre, meine Zuversicht,

私の誉、私の確信、

Mein Beistand in Gefahr

危難のさいの助け、

Und mein Geschenk zum neuen Jahr.

新年の贈り物なのです。

4 .アリア(ソプラノ)

Jesus soll mein erstes Wort

イエスを私の最初の言葉としましょう、

In dem neuen Jahre heißen.

この新年に発せられる。

   Fort und fort

   この先々 、

   Lacht sein Nam in meinem Munde,

   御名は私の口で笑いかけます。

   Und in meiner letzten Stunde

   そしていまわの時に

   Ist Jesus auch mein letztes Wort.

   イエスは、私の最期の言葉ともなるのです。

5 .レチタティーヴォ(バス)

Und da du, Herr, gesagt:

そこで主よ、あなたは言われました。

Bittet nur in meinem Namen,

私の名によってのみ願うがいい、

So ist alles Ja! und Amen!

そうすればすべては然りとなる、アーメン、と。

So flehen wir,

ですから私たちは請い願います、

Du Heiland aller Welt, zu dir:

全世界の救い主よ、あなたに。

Verstoß uns ferner nicht,

私たちを今後追い払わないでください、

Behüt uns dieses Jahr

私たちをこの新しい年に守ってください、

Für Feuer, Pest und Kriegsgefahr!

火災、疫病、戦禍から、と。

Lass uns dein Wort, das helle Licht,

どうか明るい光そのものの御言葉を

Noch rein und lauter brennen;

なお清らかに、純粋に燃え立たせてください。

Gib unsrer Obrigkeit

私たちの統治と

Und dem gesamten Lande

全土に対し

Dein Heil des Segens zu erkennen;

祝福の救いを知らしめてください。

Gib allezeit

いかなる時にも

Glück und Heil zu allem Stande.

幸いと救いを、すべての身分の者に与えてください。

Wir bitten, Herr, in deinem Namen,

主よ、あなたの名においてお願いします。

Sprich: ja! darzu, sprich: Amen, Amen!

「然り」と答え、「アーメン、アーメン」とお言いください。

6. Choral

Lass uns das Jahr vollbringen

どうか私たちにこの年を全うさせ、

Zu Lob dem Namen dein,

御名の讃美へと至らせてください。

Dass wir demselben singen

私は御名に向かって歌います、

In der Christen Gemein.

キリスト者の集いにおいて。

Wollst uns das Leben fristen

私たちの命を永らえさせてください、

Durch dein allmächtig Hand,

全能の御手によって。

Erhalt dein liebe Christen

あなたを慕うキリスト者たちと

Und unser Vaterland!

私たちの祖国を支えてください。

Dein Segen zu uns wende,

あなたの祝福を私たちに向けてください、

Gib Fried an allem Ende,

平和をすべての地の果てまで与えてください。

Gib unverfälscht im Lande

この地に混じりけない形で、

Dein seligmachend Wort,

幸いを生む御言葉を与えてください。

Die Teufel mach zuschanden

悪魔どもを滅ぼしてください、

Hier und an allem Ort!

ここでも、またどの地でも!

                    対訳:磯山 雅


ルカによる福音書 2章 21

 八日たって割礼の日を迎えたとき、幼子はイエスと名付けられた。これは、胎内に宿る前に天使から示された名である。

インターネットを1000倍速くする脅威の物質

 1830年代にロシアで発見された希少な鉱物が、インターネットの速度を現在の1000倍に速める切り札になるかもしれません。その鉱物の名は「ペロブスカイト(perovskite)」。近年の研究により、驚くべき特性を秘めていることが明らかになりました。



 ペロブスカイト(CaTiO3)はチタン酸カルシウムの鉱物名で、様々なイオンを収容できる構造が特徴です。1839年にロシアのウラル山脈で発見されて以来、ペロブスカイトには非常に役に立つ特性があることが次々と判明しています。

 地球のマントルを構成する鉱物であるペロブスカイトは、アーカンソー州やウラル山脈、スイス、スウェーデン、ドイツで採掘されますが、採掘場所によって組成や特性が異なります。2009年には、光を吸収して電気に変換するという特性が発見され、太陽電池やディスプレイ、触媒コンバーターなどへの応用が期待されています。


次世代の高速データ転送技術

 現在、科学者たちはペロブスカイトにテラヘルツ分光を用いて高速データ転送を実現しようとしています。これに用いるのは有機・無機ペロブスカイトで、シリコンウエハー上にペロブスカイトを薄く成膜します。電気の代わりに光を使うことで、データ転送速度を従来の1000倍にすることが可能だといいます。


 テラヘルツ波の波長は100GHz~10000GHzと、電波と赤外線の中間の領域にあります。これに対し、携帯電話は2.4GHzが主流となっています。ペロブスカイトにハロゲンランプを照射すると、テラヘルツ波が透過して超高速データ転送を可能にします。

 研究チームは、ハロゲンランプを使った実験で、ペロブスカイトを透過するテラヘルツ波を変化させることに成功しました。これによりテラヘルツ波にデータをエンコードし、データ転送を従来の1000倍に早めることが可能になりました。

 これまで、ペロブスカイトによる光変調は確認されていましたが、高額な高出力レーザーを必要としたために商業化は困難でした。今回の研究では、安価なハロゲン電球を使用したことに加え、異なる色のランプを使うことで同時に複数のデータ転送が行えることが判明しました。

 テラヘルツ波を使った高速データ転送は、次世代のコンピューティングや通信における大きなブレークスルーになる技術です。実用化までには少なくとも10年を要するといいますが、安価でシンプルな超高速データ転送技術が実現すれば、我々のデジタル生活に大きな変化を及ぼすでしょう。

(Forbesより)

<ネット注文>便利さの弊害?

 20代男性の休日における外出回数が「約30年でほぼ半減」との調査結果が判明し、ネット注文=宅配普及社会における若者行動の一面が浮き彫りにされました。



 国土交通省の「全国都市交通特性調査」は、都市における人々の動き(どうのような目的で/どのような交通手段を利用して移動しているか等)に関して集計するのを目的としたもの。

 調査が開始された1987年より、およそ5年ごとに実施され、2015年の調査では全国70都市を対象とし、4万3700世帯から回答が寄せられました。

 その集計結果(11月21日発表:確報値で)を見ると、対象者全体の1日当たりの平均移動回数は「平日で2.17回/休日で1.68回」。この数値自体が調査開始以来の「最低値」だったのですが……。


「狩り」に出ない20代男性

 ちなみに「移動回数」は下記の方法でカウントされました。


①自宅等から一度も外出しなければ「0回」

②自宅と目的地等を往復すれば「2回」

③途中に立ち寄った場所があれば「3回」


 この1日の平均移動回数の数値を「20代女性層」に絞ってみれば「平日で2.01回/休日で1.61回」となりました。比べて「20代男性層」の場合は「平日で1.91回/休日で1.24回」となり、いずれも全体と女性層の結果を下回りました。

 さらに最初の調査が実施された「1987年時点の20代男性」の移動回数(平日で2.98回/休日で2.31回)と比較してみれば、この約30年間における「外出離れ」ぶりは歴然です。

 事実、調査日に一度でも外出した人の割合を示す「外出率」でも、20代男性層の結果(平日81.2%:休日51.1%)は、全体の平均(平日89.9%:休日59.9%)を下回り、とりわけこの層(の約半数近く)は「休日に外出しない」傾向が読み取れました。

 じつは、2015年の結果は速報版(昨年12月26日発表)の時点で、<10~20代の休日外出率は6割に満たない>調査史上最低、70代の同外出率をも下回る実態が明らかにされていました。

 また、休日の移動回数でも20代(男女)は「1.43回」と減少傾向を示し、70代の「1.60回」を下回っていました。その主因は、男性陣の外出離れだと確報値で判明した次第です。



<ス二ーカー通勤>でアクティビティが増す?

 当然ですが日常のアクティビティ低下は健康にも影響を及ぼします。こうした20代の外出離れに危機感を抱いたのか、今秋からスポーツ庁(鈴木大地長官)は会社員の<ス二ーカー通勤>を奨励するキャンペーンの実施を表明しました。

 年内はポスターなどで認知度を高め、来年3月頃に本格的な取り組みを行なう予定とか。具体的には、靴の小売業やカジュアル衣料品店等と連携し、「働き方改革」に取り組む企業や全国の自治体とも協力する構えです。

 スニーカーや機能性の高い靴を履いての通勤を政府が奨励し、行きは職場のある一駅前での下車/帰りも自宅最寄り駅の手前からの徒歩を促すといいます。

 その狙いはもちろん、国民の健康増進を呼びかけ、40兆円超えと高騰一途の医療費を少しでも削減しようというものです。

 将来の「ロコモティブ症候群(運動器症候群)」に備える体づくりには、若い頃から「1日8000歩、中強度20分以上の歩き」が好ましいと言われます。まずは、足元の見直しからというわけでしょう。


ネット注文/宅配依頼で歩数激減?

 そう奨励されれば、まずは「靴選びにお店まで」と外出するのが、典型的な昭和世代の習性でしょう。「ついでにアレも探して、あそこの店も覗こうか……」と、ついつい歩数が増えて帰宅します。

 しかし、これが平成世代となると「ネット検索で購入」「日時指定で受け取り」が大勢かもしれません。ムダがなく合理的ですが、平日は「自宅↔職場のドア・トゥ・ドア」、休日も「近所のコンビニ程度」という場合、どうやって万歩計上に理想値をたたき出すのでしょう。

 非婚理由に「出逢いがないから」と弁明する独身男性は少なくありません。前掲の調査結果が物語る「外出離れ」傾向がさらに進行すれば、適齢期男女の邂逅機会はさらに減るでしょう。政府が奨励すべきは<スニーカー交際>でしょうか?

(Health Pressより)